• 約2百万人の子どもたちが2016年のプログラムに参加
  • 世界競技人口は850万人に
  • 女子の競技人口は全体の4分の1に
  • 2016年のプログラム参加者の39%は女性

 129ヶ国で2百万人近い男女児童がワールドラグビーの参加型プログラムであるGIR (Get Into Rugby)プログラムに参加。2015年のほぼ倍の増加を記録しました。

 ワールドラグビーの2016年レビューによれば、グラスルーツプログラムの成功で競技の世界的な成長が前年に引き続いて推進され、子供を含めた850万人の男女が世界中でラグビーをプレーしています。

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 2016年はワールドラグビーにとって記念すべき年でした。2016年リオデジャネイロ・オリンピックでラグビーがオリンピック競技大会種目として復活となり、競技の成長と国際的な人気獲得に大きなプラスとなりました。その成長において、GIRプログラムは重要な役割を担っており、以前にも増してより多くの国でより多くの人々を競技に誘っています。

 2016年にはグアテマラ、モロッコ、リクセンブルク、バングラデッシュ、ベトナム、ボスニア・ヘルツェゴビナ、アンギラ、マカオ、エチオピア、ボリビアの10か国が新たにこのプログラムを採用。トレーニングを受けた3万人のスタッフが129ヶ国2250か所でプログラム活動の実施にあたりました。

 ワールドラグビーの6つの地域連盟のなかで参加者が多かったのは、南米連盟(382,600人)とアジア連盟(610,700人)で、前者は2016年リオデジャネイロ・オリンピック競技大会が刺激になっており、後者は2019年ラグビーワールドカップと2020年東京オリンピックへ向けて準備を重ねているところです。

 喜ばしいことに、GIRプログラムの2016年参加者の39%が女性であり、北アメリカ地域では46%の増加。これは女性参加者としては6つの地域連盟の中で最高の割合です。また、9か国では女児の参加者数が男児の数を上回るという数字も出ています。

 この成長はワールドラグビーで女子競技担当の新GM Katie Sadleir氏のリーダーシップの下、引き続き継続が見込まれています。同氏は現在、女子ラグビーのさらなる強化のための新戦略の展開を試みているところです。

 GIRプログラムに加え、85協会では各地域連盟の支援の下、200を超えるイベントを開催。これはワールドラグビーのIMPACT Beyond Rio 2016という新たな選手やファンを惹きつける促進活動の一環として行われたもので、6万人を超える参加者を集めています。

 以下は、ワールドラグビーのイヤー・レビュー2016年からの主な数字です。

  • 850万人がワールドラグビー加盟協会でラグビーしており、2015年からは8%の増加。
  • 220万人の女性および女児の競技者数は、ワールドラグビー加盟連盟に所属する全競技者の4分の1にあたり、2012年以降では142%の増加。
  • 2協会(グアテマラとスロバキア)の加入で、加盟国数は121を超過。このうち103が正規メンバーで18が準メンバー。
  • ファンは全世界3億人となり、直近12か月の間に5千万人増に。
  • 2016年の一年間で470万人がワールドラグビーのサイトの新たなユーザーになり、90万人の新たなファンがワールドラグビーのソーシャルメディアにアクセスした。

 ワールドラグビーのビル・ボーモント会長は、次のようにコメントしています。

「2016年はワールドラグビーにとってあらゆる面で素晴らしい年になりました。まず、オリンピック競技大会へのラグビー復帰という成功があり、セブンスの世界トッププレーヤーたちがパッションとスキルを駆使したプレーを2016年リオデジャネイロ・オリンピックで披露して大会を盛り上げました。このことが我々のGet Into RugbyとIMPACT Beyondという2つの普及育成プログラムの良いお膳立てとなり、オリンピックの勢いを本格的な取り組みと意義深い成長へ繋げることができました。

 「850万の人々が世界中でラグビーをプレーしたり楽しんだりすることで、ラグビーの強化を今後もより一層進めることができます。GIRプログラムでは2016年に約2百万人の参加者を動員しており、我々の競技が活発で価値のあるものとして新たな選手やファンを世界中で獲得していることが示されています。特に喜ばしいのは、女性参加者の著しい増加です。GIRプログラム全参加者の39%と世界220万人の女子競技登録者の存在を受けて、ラグビーは今後も世界でも成長を遂げる女子チームスポーツであり続けるでしょう。」

 Get Into Rugbyの新公式サイト、getintorugby.worldrugby.org では15か国語に対応。英語、フランス語、スペイン語、中国語、ブラジルポルトガル語、ポルトガル語、アラビア語、インドネシア語、日本語、オランダ語、ドイツ語、ポルトガル語、ルーマニア語、ハンガリア語、韓国語、ロシア語でご覧いただけます。

2016年Get Into Rugby 活動事例

  • ボリビアはGIR活動展開では最高地点となる海抜5000メートルでプログラムを実施。
  • インドネシアでは複数の女児孤児院で自信を持たせるためにラグビーを活用。
  • ブルネイでは国王の子息がラグビーセッションに参加して気に入ったことから、法律によりGIRプログラムが学校で採用されている。
  • セネガルのBineta SenaはI Also Play Refereeプログラムを通してレフェリーになった、同国の女児と女性に刺激を与える存在に。若干16歳で全国男子1部の決勝の笛を吹く。
  • コロンビアではラグビーは暴力撲滅運動に採用。
  • フィジーの全国中学校女子セブンズ大会決勝では首都スヴァのANZスタジアムに15000人を集め、全国中継のTV放送も実施された。
  • フィリピンではラグビーはユース年代の元薬物依存者の社会復帰に活用。
  • オーストラリアの五輪金メダリストであるNicole Beckがベトナムを訪れて、GIRプログラムの一環の、指導者やレフェリーのクリニックであるPass it Backプログラムを訪問。
  • フィジーの全学校でGIRが学校の体育に組み込まれている。
  • アジア女子セブンズ・トロフィー出場の全12チームはGIRプログラム出身。
  • 15人制では、GIRプログラムを経て国際試合出場にまで及んだ選手は、パキスタン(女子セブンズ)、ハンガリー(男子U18)、マルタ(男子U18)、台湾(U18男子)など。
  • ベルギーで若手レフェリー育成のI Also Play Refereeプロジェクトが始まる。
  • 2019年RWC予選の最初の試合は2016年3月にセント・ビンセントおよびグレナディーンズ諸島で行われ、試合を前にRWC 2015大会決勝担当レフェリーのNigel Owens氏が地元の子どもたちとGIRセッションを実施。
  • インディア、モンゴリア、チリでスノーラグビー活動が展開。チリ南部ではGIR活動がオソルノ火山で行われ、Puerto Varas and Jabaliの本部を中心に5人制スノーラグビーのデモンストレーションが実施された。