開幕戦で対戦する日本代表と韓国代表の両チームは4月19日に試合登録メンバーを発表。ジェイミー・ジョセフヘッドコーチの下、自国開催のラグビーワールドカップ2019へ強化を進める日本代表は、先発メンバーに8人のテストマッチ未経験選手を起用する若手主体のチームで臨みます。

 先発で初キャップを獲得する顔ぶれには、チーム主将を務めるSH流大選手、ジャパンラグビートップリーグ王者サントリーサンゴリアスで流選手とチームメイトのPR石原慎太郎選手、SO小倉順平選手(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)、帝京大学の全国大学選手権優勝メンバーのFB尾﨑晟也選手らが含まれています。

 また、ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズの登録スコッドにも名を連ねているPR浅堀航平選手(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)ら3選手が、ベンチスタートでテストマッチデビューの機会がありそうです。

 一方、ラグビーワールドカップ2015で日本代表のバックアップメンバーを務めたLO宇佐美和彦選手(パナソニック ワイルドナイツ)やCTB山中亮平選手(神戸製鋼コベルコスティーラーズ)、昨年のこの大会の韓国戦で初キャップを獲得したFB野口竜司選手(東海大学4年)らが先発に名を連ねています。

 「アジアラグビーチャンピオンシップで日本代表としての強化を引き続き行いたい。」と意気込むジョセフ ヘッドコーチは、「この大会は日本代表として戦う大事な機会。若手の育成ではなく、日本代表チームの育成に欠かせない場だ。この大会で日本代表、パシフィック・チャレンジでジュニア・ジャパン、スーパーラグビーでヒト・コミュニケーションズ サンウルブズと3つが同時進行しているのは、日本代表全体の強化になる。」と話しています。

攻撃マインドでのプレーを期待

 流選手と石原選手の主将、副主将への任命について、「2人は代表候補合宿でリーダーシップやクオリティを見せてくれた。若手が多いので、彼らに任命することが、チームとしての力を上げるためになると判断した。」と語っています。

 韓国へは、23人の登録メンバー以外に、ジュニア・ジャパンで主将を務めたHO堀越康介選手(帝京大学4年)と、トップリーグのパナソニック ワイルドナイツでプレーするSO山沢拓也選手も帯同します。

 今大会の新たな選手の台頭で代表スコッド全体の底上げを図りたいジョセフ ヘッドコーチは、「トップレベルのパフォーマンスを求めているのは言うまでもないが、攻撃のマインドセットを持ってプレーしてほしい。ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズでも強豪相手にトライできているが、それは思い切ってプレーしているから。そういう気持ちをもってプレーしてアピールしてほしい。」と、選手たちの活躍に期待を寄せています。

 アジアラグビーチャンピオンシップは、2008年に5カ国対抗で始まり、2015年に現在の3カ国対抗の形に再編されました。各チームがホーム・アンド・アウェイ方式の総当たりで対戦し、最多勝点獲得チームが優勝になります。

韓国、RWC2019 出場へ向けての一歩

 アジアラグビーチャンピオンシップ2008年大会から現在まで大会9連覇中の日本に対して、3か国対抗方式になって以降の2015年大会と2016年大会では香港が2位。韓国はいずれでも3位でしたが、来年のアジアラグビーチャンピオンシップで日本を除いた最上位に入り、オセアニアとのプレーオフや敗者復活最終予選へつなげて、ラグビーワールドカップ2019日本大会の出場権獲得を目指しています。

 韓国代表のジョン・ウォルター ヘッドコーチは「この土曜日の試合で、ラグビーワールドカップ2019日本大会の出場へ向けた我々の長期計画が始まる。来年の大会で成功するために、今大会から学ぶ必要がある。」と話しています。

 今回のメンバーには、昨年11月にチリの首都・サンティアゴでチリ代表に38‐36で逆転勝ちしたチームから9人が名を連ね、後半の反撃でトライを決めたFBリ・ジェボック選手や4本のコンバージョンを決めたSOユ・ジェヒョク選手が含まれています。また、日本の日野自動車レッドドルフィンズでプレーするPRキム・カンシク選手の名前もあります。

 ウォルター ヘッドコーチは、「11月のチリ遠征の成功に上積みを図りたい。あの遠征スコッドの中心メンバーが残っているので、一試合ごとにレベルアップしたい。」と語りました。

 2017年大会は4月22日に開幕後、日本代表は4月29日の第2戦で韓国代表をホームに迎え、5月6日の第3戦も引き続きホームで香港代表と対戦。5月15日の第4戦で香港に乗り込みます。韓国代表と香港代表の対戦は5月27日に韓国、6月3日に香港で行われます。