4月7日に香港で行われたHSBCワールドラグビー女子セブンズシリーズ2017-2018コアチーム予選大会で、日本は決勝で南アフリカに22-10の逆転勝ちを収めて優勝。1年でワールドシリーズ復帰を決めました。

 南アフリカは準々決勝でパプアニューギニアを29-7で下し、準決勝では下馬評の高かったベルギーが前半終了直前に受けたイエローカードもあって、17-7で勝利を収めての決勝進出です。

香港スタジアムでの決勝では、立ち上がりからNadine Roos 選手とZenay Jordaan 選手がトライを決めて10-0のリードを奪います。

南アフリカは準々決勝でパプアニューギニアを29-7で下し、準決勝では下馬評の高かったベルギーに、Roos 選手の足とスキルを活かしたプレーで17-7の勝利を挙げていました。

日本は10点を追う苦しい展開になりますが、前半終了間際に横尾千里選手のトライと清水麻有選手のコンバージョンで7点を返し、3点差に詰め寄ってハーフタイムに入ります。

 後半、日本の反撃に拍車がかかります。後半開始早々に桑井亜乃選手がトライを決めて逆転に成功。コンバージョンはならなかったものの、12分にも堤ほの花選手が5点を追加して17-10として南アフリカを突き離します。試合終了直前には、清水選手がラインを越えて、勝利を確実にしました。

 「どの試合も厳しかった」と振り返った中村選手は、「チームメイト全員がワールドシリーズに戻るために本当にハードに取り組んだ。チームメイトを誇りに思う」と語り、「来年度のワールドシリーズ開幕にはフィットネスを整えて臨みたい」と世界への再挑戦に想いを馳せていました。

日本、走り勝つ準備が奏効

前日6日に行われたプール戦で3戦全勝の成績で8強入りした日本は、この日午前中の準々決勝ではプールでも戦った中国と再び対戦。前半を谷口令子選手と清水選手のトライで14-0のリードで折り返します。

ところが、後半に入ると中国が反撃。一時は14-14に詰め寄られたものの、平野優芽選手と、清水選手のこの試合2本目のトライで中国を突き放して28-14で勝利。準決勝に進みます。

 香港スタジアムに移っての4強対決ではイタリアと対戦。シックスネーションズでもプレーした選手を擁し、ケニアを26-7で破って勝ち上がってきた相手でしたが、中村選手、谷口選手が1本ずつ、さらに堤選手が2本のトライを決めて日本は31-0で圧勝しました。

 「2日間で6試合の予選大会に走り勝つ」をテーマに直前合宿に取り組んだサクラセブンズの稲田仁ヘッドコーチ代行は大会への準備が機能したと指摘。「大会2日目の3試合目に準備してきた状態で試合に臨めたのが良かった」と振り返りました。しかし、すぐに次の目標に頭を切り替えた様子で、「これでやっと世界と戦う権利を得た。東京五輪に向得てさらにレベルアップしていきたい」と抱負を口にしています。

北九州大会へ

 また、キャプテンの山中美緒選手も、「大会6試合目(の決勝)で走り勝つ練習をやってきたので、やってきたことが決勝で出せてよかった」と話し、ホスト国として参戦する4月22-23日のワールドシリーズ第4ラウンドへ視線を移して、「北九州大会でも世界と戦って勝ちにいきたい」と語りました。

 日本は2015-16ワールドシリーズに初参戦。2017-18年大会は2度目の参戦になります。

 現在のワールドシリーズは第3戦を終えてニュージーランドが首位に立ち、オーストラリア、カナダが続いています。スペインとブラジルには北九州大会はワールドシリーズ残留をかけた正念場になりそうです。