若手で構成されるA代表が出場する大会で、日本からはジュニア・ジャパンが出場し、ホスト国のフィジー・ウォリアーズ、トンガA、サモアAと対戦。ラグビーワールドカップ2019日本大会の開催を控える日本にとって、本大会は次の日本代表を担う選手の育成を図る貴重な機会だ。

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ジュニア・ジャパンを率いる新任の遠藤哲ヘッドコーチは、「この大会は、日本代表を目指す有望な学生選手たちが、インターナショナルなレベルでのプレーの質や厳しい体験をできる大会。ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチが率いる日本代表へ、候補生としての登竜門になる」と、本大会の重要性を指摘する。
 
本大会は、2006年にパシフィックラグビーカップの名称でフィジー、サモア、トンガからA代表クラス2チームずつが出場する形で始まり、2011年からはオーストラリアやニュージーランドのスーパーラグビーのアカデミーチームも参加するという変遷を経て、2015年から現行の形に絞られた。
 
日本は2011年から出場。1チーム総当たり戦の大会で、昨年2016年は初戦でトンガAに26-8で勝ち、パシフィック・チャレンジ初の白星を飾った。しかし、その後の2試合ではフィジー・ウォリアーズに10-44、サモアAには22-42と連敗し、3位決定戦へ進んだ。
 
4戦目となった3位決定戦で、ジュニア・ジャパンはオーバーエイジ6選手を先発に起用してトンガAと再戦したが30-44で敗れ、4位で大会を終えた。優勝は、サモアAに36-0の完封勝ちで通算6度目の優勝を飾ったフィジー・ウォリアーズだった。

学生強化で次の日本代表へ

遠藤ヘッドコーチは今年1月中旬に就任。ヘッドコーチとしては4年ぶりの復帰だが、44歳の指揮官はFWコーチとして2012年からジュニア・ジャパンやU20代表強化に携わり、パシフィック・チャレンジにも同年から参戦。太平洋諸国との戦いも経験してきた。昨年2016年春には日本代表FWコーチとしてアジアラグビーチャンピオンシップ優勝にも貢献した。今夏には、兼務するU20代表ヘッドコーチとして、ワールドラグビーU20トロフィーも控えており、日本の若手育成を託された存在だ。
 
今大会へ、遠藤ヘッドコーチは、「日本代表が目指すラグビーについて、戦術面での深い理解とそれを実行する能力を向上させたい」と話している。
 
今回のスコッドは全員大学生で構成され、全国大学選手権で8連覇を遂げた帝京大学からは主将の亀井亮依選手ら8人が選出。準優勝の東海大学からは1年生ながら10番でプレーした眞野泰地選手ら6人、大学選手権ベスト4の天理大学からは、日本代表出場経験もあるファウルア・マキシ選手を含めた4人が名を連ねている。
 
ジュニア・ジャパンは3月2日に日本を出発してフィジー入りし、4日から現地で練習を重ねてきた。日本は大会初日の現地時間10日にサモアA、14日にフィジー・ウォリアーズ、18日にトンガAと対戦。いずれも強敵だ。
 
短期間でのチームづくりは勝敗への鍵の一つだが、遠藤ヘッドコーチは就任当初からこの大会を見据えて、「強い相手との戦いになるが、全ての試合で勇敢に、常にアグレッシブにチャレンジしたい」と話しており、「目標は優勝」と意気込んでいる。
 
大会の全ての試合はフィジーの首都スバのANZスタジアムで行われる予定だ。