ワールドラグビー・パシフィックチャレンジ2017が3月10日、フィジー首都スバのANZスタジアムで開幕。ジュニア・ジャパンは初戦でサモアAを34-31で下して、白星スタートを飾った。

ジュニア・ジャパンはサモアAにトライ数で5対3と上回り、ボーナスポイントも獲得。NO8のテビタ・タタフがトライ3本を決め、SH齋藤直人がPG 2本とコンバージョン4本で14ポイントを挙げた。

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毎年恒例の若手主体の大会は初戦から接戦の好ゲームが展開。ジュニア・ジャパン対サモアAの対戦は、前半16分まではリードが3度入れ替わるシーソーゲームになった。

立ち上がりに気を付けたいジュニア・ジャパンだったが、開始5分でサモアAのTalaga Alofipoに先制のトライを許した。

日本は9分にタタフがこの日1本目のトライを決めて同点にし、齋藤のコンバージョンも決って7-5と逆転に成功するが、サモアもすぐに反撃。12分に主将Patrick FaapaleのPGで再び8-7とリードを奪った。

しかしジュニア・ジャパンはその4分後に齋藤のPGで10-8とひっくり返すと、流れは日本に。21分にサモアAのWTB Jonnyy Samueluがシンビンになると、日本はその1分後にタタフが2本目とトライを決め、齊藤が確実に2点を加えてリードを広げた。

その後PGで点の取り合いが続き、サモアが2本、ジュニア・ジャパンが1本決めて、前半を日本の20-14リードで折り返した。

後半に入ると、ジュニア・ジャパンは開始2分でLO飯尾晃司がこの日チーム3つ目となるトライを決めて、13点差に持ち込んだ。

サモアはFaapaleがPGで反撃するも、昨年のワールドラグビーU20チャンピオンシップでも好プレーを見せたタタウが好調をキープ。64分に3本目のトライでハットトリックを完成。齋藤がこの日4本目のコンバージョンも決まって、34-17とした。

サモアAの反撃を凌ぐ

試合は決まったかのように見えたが、サモアも粘り強さを発揮。Kaino Fuatagaと Mikaele Tapili がトライを決めて、試合には負けたものの勝点1を確保。Faapaleはこの日キックで16点をたたき出したが、勝利には及ばず。日本は終盤のサモアの反撃を凌いで、昨年大会の初戦トンガAとの対戦以来となる勝ち星を挙げた。

「日本はすごかった」と言うサモアA副主将でNO8のJeff Lepaは、「こういう試合をやって、チームのみんなはがっかりだと思う。特にディフェンスが良くなかった」と話した。

ジュニア・ジャパン主将の堀越康介は、「フィジーの暑い気候の中、体の大きなサモアを相手にとても良くプレーできたと思う。ただ、最後の10分は集中が落ちてしまった。そこは次のフィジー・ウォリアーズとの対戦へ向けて見直さなくてはならない。しっかり準備をして臨みたい」と振り返った。

また、遠藤哲ヘッドコーチは、「限られた時間の中で、選手一人一人に役割と責任を与えてきたことでチームとして良い準備ができた。タフな環境の中でも、選手たちは一つでもパフォーマンスを上げるためにプレーし続けた」と選手のハードワークを評価した。

ジュニア・ジャパンは次の試合で昨年優勝のフィジー・ウォリアーズと対戦する。フィジーはこの日の第2試合でトンガAとの接戦を演じ、38-30で勝って勝点5を獲得している。

フィジーは後半開始5分までに31-9のリードを奪う展開も、交代出場したKalivati Tawake がイエローカードを受けて1人少ない展開になるとトンガが反撃。最後の最後にWTB Lepani Raiyalaがこの日2本目となるトライを決めて逃げ切った。

プレーの完成度はまだ不十分としながらも、フィジー主将FL Mosese Vokaは「初戦でホームのファンの前で前回王者として勝つことが重要だった。いいスタートになった」と話した。

ジュニア・ジャパンとフィジー・ウォリアーズの試合は14日、同じくANZスタジアムで行われる。