スコットランドのヴァーン・コッター監督が、チームを過去最高の世界ランク5位という、これまで先人達が遂げられなかった偉業へ導いた。
チームは2017年2月25日のウェールズ代表戦で2006年以来となる勝利を挙げ、2003年10月から導入されている世界ランキングでも1.28ポイントを獲得。ウェールズ代表と南アフリカ代表を抜き去る躍進だ。
スコットランド代表はこれで82.12ポイントとなり、3月11日に予定されているトゥイッケナムでのイングランド代表戦に勝てば、念願のシックスネーションズ獲得に近づくだけではなく、5月10日のラグビーワールドカップ2019のプール組分け抽選会を前に、世界トップ4入りも十分期待できる。
ブリティッシュ＆アイリッシュ・ライオンズのウォーレン・ガットランド監督も注目する中、スコットランド代表は好プレーを見せたため、同代表から数人が今年のニュージーランド遠征のスコッド入りをすると見込まれている。
ウェールズ代表戦では、負傷欠場の主将グレイグ・レイドローに代わってキッカー役を務めたフィン・ラッセルが、PG5本とトミー・シーモアとティム・ヴィサーが決めたトライのコンバージョン2本を合わせた、7本全てに成功した。冷静なプレーでキッカーという重責を果たした。
ウェールズ代表は、リアム・ウィリアムズが大会3本目となるトライを決めたが、リー・ハーフペニーはキックにいつもの切れがなく、チームはアウェイでの戦いを13-29で落とした。
アイルランド代表は0.5上積み
アイルランド代表とフランス代表の最近の対戦は接戦が多く、2月25日のアイルランド代表のアビバスタジアムでの試合も例外ではなかった。
フランス代表がカミーユ・ロペスのPG2本で6-0のリードを奪うが、アイルランド代表がコナー・マレーとジョニー・セクストンを中心にしたプレーで、次第に試合の主導権を握ると、後半はフランス代表を無得点に抑えた。
アイルランド代表はマレーが前半30分にトライを決め、コンバージョンも決まって7-6で前半を終了。すると後半、セクストンが国際試合600得点超えとなるPG2本を決め、さらに自身5年半ぶりとなるドロップゴールも成功させた。彼に代わって登場したパディ・ジョンソンもPGを決めて、アイルランド代表がシックスネーションズで4年間ホーム無敗という記録を守った。
この勝利で世界ランク4位のアイルランド代表は約0.5ポイントを獲得し、5位のスコットランド代表との差を2ポイントにした。
タフな対戦を凌いだイングランド代表
2月26日に第3節最終戦となったイングランド代表対イタリア代表戦は、20得点差の結果により、ポイントの獲得損失はなしとなった。
イングランド代表は、イタリア代表のタックルエリアでの戦術に翻弄されて前半を苦戦。5-10でハーフタイムを迎えた。イングランド代表がイタリア代表に前半リードを許すのはテストマッチではわずかに2度目。しかし、後半挽回してテストマッチ17連勝をマークして、グランドスラム達成へ一歩前進した。
スコットランド代表、アイルランド代表との残りの2試合に勝てば、エディー・ジョーンズ監督率いるイングランド代表はテストマッチ18試合連続勝利という、ニュージーランド代表がかつて作った世界記録も塗り替えることになる。
イタリア代表戦でイングランド代表は、ダン・コールが自身テストマッチ4本目となるトライを決めてトゥイッケナムの観衆を安心させたのも束の間、イタリア代表はトンマーゾ・アランのDGとジョバンバティスタ・ヴェンディッティのトライで逆転して10-5で前半を折り返した。
イングランド代表は後半立ち上がりに、ダニー・ケアの頭脳プレーとエリオット・デールの巧みなフィニッシュでトライを決めて逆転に成功。イタリア代表もミケーレ・カンパニャーロがトライを決めて追い上げ、残り20分でイングランド代表のリードを17-15の2点差に縮めた。
しかし、交代出場したジャック・ノーウェルがトライを2本決め、さらにベン・テオも大会2トライ目を決めて、イングランド代表が36-15勝利を収めた。
シックスネーションズはブレイクが入り、次節は3月10日に開催。同日、ウェールズ代表は首位イングランド代表に追い上げを図るアイルランド代表をホームに迎え、翌11日にはイタリア代表対フランス代表戦と、スコットランド代表がトゥイッケナムに乗り込み、注目のカルカッタカップ（イングランド代表とスコットランド代表戦の定期戦）の一戦でもあるイングランド代表戦が行われる。
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