HSBCワールドラグビーセブンスシリーズ2016-17は、3 月3日から開催のアメリカ大会でシリーズの約半分を終えることになる。ここまでの4戦を振り返ってみた。

第1戦ドバイ大会
開催日:2016年12月4-5日
大会得点数:1677
大会トライ数:269
大会タックル数:1364
大会優勝チーム:南アフリカ

 

HSBCワールドラグビーセブンスシリーズ2016-17の開幕戦となったドバイ大会は、2016年リオデジャネイロ・オリンピックでのセブンス五輪デビュー以来初のセブンス大会として多くの期待が押せられたが、内容は期待を裏切らないものになった。

リオ五輪後、ベン・ライアン監督がフィジー代表を勇退。ダミアン・マクグレス監督がサモアからカナダのセブンス代表監督に移籍し、ニュージーランドは代行監督が指揮を執る中、ドバイ大会の結果は想定外に。カップ準々決勝では、イングランドがスコットランドにサドンデスで24-21という劇的勝利を挙げ、ウェールズがオーストラリアを21-12で下して2013年グラスゴー大会以来となる8強での勝利を挙げた。

カップの準決勝では、2015年ドバイ大会決勝と同じ顔合わせでフィジーがイングランドに31-12で勝利。準決勝のもう一方の試合では、好調な南アフリカがウェールズに36-5で快勝した。フィジー対南アフリカの決勝では、南アフリカが4トライを奪って26-14で優勝。ここ4年間、シリーズ準優勝を続けてきた南アフリカが今シリーズでは好スタートを切った。

リオ五輪では4位に入る健闘を見せた日本は、夏季五輪後にメンバーも入れ替わり、今大会は新たに迎えたダミアン・カラウナ監督体制で臨む初の大会に。プール初戦でオーストラリアに迫ったが14-19で落とすと、ケニアに7-17、フランスには0-35で敗れてプール4位なり、チャレンジトロフィーでアルゼンチンに14-31、ウガンダに19-26で敗れて15位で終えた。5試合で8トライ54得点だった。

 

HIGHLIGHTS: South Africa start series with epic win in Dubai
South Africa kicked off their HSBC World Rugby Sevens Series campaign with a win in Dubai.

第2戦ケープタウン大会
開催日:2016年12月10-11日
大会得点数:1787
大会トライ数:276
大会タックル数:1438
大会優勝国:イングランド

シリーズは風光明媚なケープタウンへ場所を移し、開催国の南アフリカが優勝候補として揺るぎのないプレーを見せて、カップ準々決勝でウェールズに33-0、準決勝でニュージーランドに14-7と勝ち進んで、決勝では好調イングランドと対戦することに。イングランドはサイモン・アモール監督指揮の下、スコットランドを33-14 で破り、地元南アフリカに熱狂的な声援を送る観客の待つ決勝に進出した。

決勝では、イングランドが退場者を出して6人になった中、南アフリカのワーナー・コックが終了間際にトライを決めて詰め寄った。しかし、ジャスティン・ゲドゥルドがゴールキックを外してイングランドが2015年日本大会以来の優勝を決めた。この結果、イングランドは総合優勝でも南アフリカを僅差で追う展開になった。

初勝利を目指した日本だったが、プール3連敗でチャレンジトロフィーへ進んで、アルゼンチンに12-33、ウガンダに17-21で敗れ、2大会続けての15位フィニッシュとなった。

 

HIGHLIGHTS: England stun South Africa in Cape Town!
England beat South Africa 19-17 in the final to win the HSBC Cape Town Sevens!

第3戦ウェリントン大会
開催日:2017年1月28-29日
大会得点数:1597
大会トライ数:253
大会タックル数:1574
大会優勝チーム:南アフリカ

 

前回のウェリントン大会はソニー・ビル・ウィリアムズの独断場となったが、今回の2017年版は南アフリカのシアベロ・セナトラの大会になった。俊足を誇るセナトラは、フィジーを26-5で退けた決勝でも活躍。チームのシリーズ2勝目獲得に貢献し、自身も8トライを挙げて大会トライ得点王になり、DHLインパクトプレーヤー賞を獲得。さらに、HSBCプレーヤー・オブ・ザ・ファイナルに選ばれた。

大会前半には、準々決勝でカナダがアルゼンチンを17-12で破ってベスト4に進出する驚きの存在に。また、カップ準決勝ではスコットランドがイングランドに14-12で競り勝って、ドバイ大会の雪辱を果たした。しかし、決勝進出はフィジーと南アフリカで、ドバイ大会に続いてシリーズ2度目の決勝での顔合わせだった。

日本はプールで南アフリカ、フィジー、オーストラリアと同組になるタフなプールに入り、初戦で南アフリカに0-33、フィジーに0-56と無得点試合が続いた。3戦目でオースラリアから得点を奪うが12-33で敗れて、プール最下位に。チャレンジトロフィーでアメリカに14-19と迫ったものの勝利には至らず、ロシアに5-15で敗れ、日本は15位に終わった。

 

HIGHLIGHTS: South Africa storm to win in Wellington
South Africa scooped their second tournament win of the HSBC World Rugby Sevens Series

第4戦シドニー大会
開催日:2017年2月4-5日
大会得点数:1498
大会トライ数:239
大会タックル数:1446
大会優勝チーム:南アフリカ

ニール・パウウェル監督率いる南アフリカは、今シリーズ3大会を終えて決勝進出3回、優勝2回の活躍で自信を得て勢いに乗る。開催国のオーストラリアは、カップ準々決勝でウェールズに26-0で完封勝利を収めて危険な存在に。ニュージーランドも、スリリングな展開となった準々決勝でフィジーを24-21で下して準決勝に進出した。

イングランドは安定したプレーを見せて、カップ準決勝でニュージーランドに12-5で勝利。一方、南アフリカはオーストラリアを26-12で破って、昨年のシリーズ第10戦イングランド大会から5戦連続となる決勝進出を決めた。ケープタウン大会ではイングランドに敗れたものの、パウウェル監督指揮の下、南アフリカはフィニッシュで素晴らしい技量を見せつけて29-14で勝利。シリーズ3戦目となる優勝を決めた。果たして、201617シリーズは南アフリカのものになるのだろうか?

一方、日本はシリーズ4戦目で待望の初勝利を挙げた。南アフリカに0-32、イングランドに0-26、ケニアに12-17とプールでは3連敗だったが、大会2日目のチャレンジトロフィー第1戦でカナダに19-7で勝利した。その後、チャレンジトロフィー準決勝でフランスに12-19で敗れ、11位で終了した。日本はシリーズ4戦を終えて28トライ176得点で、1試合平均1.4トライ、8.8得点は全15コアチーム中最低と低迷。5戦目以降での挽回はいかに?

 

HIGHLIGHTS: South Africa win big in Sydney
South Africa won the HSBC Sydney Sevens, their third tournament win of the series