10月8日(土)にウルグアイでワールドラグビー主催の「アメリカズ・パシフィック・チャレンジ」第1回大会が開幕した。アルゼンチンXVとフィジーウォリアーズはそれぞれ、カナダAとアメリカ選抜を相手に大勝を飾り、出だしから勢いをつけて好スタートを切った。一方、モンテビデオで行われたウルグアイA対サモアA戦では終盤のドラマチックなプレーで、サモアAが開催国を僅差で下した。

アメリカズラグビーチャンピオンシップ2016 優勝者のアルゼンチンXVは7トライ獲得でテンポが掴められずにいたカナダを56-29で圧倒した。一方、好調のフィジーウォリアーズも、今年4月に行われたワールドラグビーパシフィックチャレンジの勝利からペースを維持し、アメリカ選抜XVを62-12というスコアで下した。 

アルゼンチン XV 56-29 カナダA

ウルグアイ・モンテビデオのエスタディオ・チャルアで開催された対カナダA戦で、アルゼンチンXVは第1回大会の初戦を56-29と圧倒的勝利で飾った。

ハットトリックを決めたナンバーエイトのベンジャミン・マコメ選手は始終フィールドで存在感を発揮し、アルゼンチンXVの勝利に大きく貢献した。マコメ選手のトライ2本に加えて、セグンド・トゥクレとバウティスタ・デルグイがさらにトライを1本ずつ決め、それぞれのコンバージョンを見事に決めたフアン・クルズゴンザレスの活躍ぶりで前半を支配したアルゼンチンXVは、イエローカードを2枚もらい相手にアドベンテージを許すも、28-3と大きくリードしてハーフタイムを迎えた。 

マコメ選手のハットトリックトライと、プロップのファクンド・ジジェナのトライ、そしてコンバージョンでアルゼンチンは勢いを落とさず、42-3と点差を広げ続けた。

試合時間1時間が経過しようとしていたところでカナダ代表フロントローのレイ・バークウィルとロブ・ブラウワーがシンビン行きとなり、さらなるピンチを迎えた。

その後、マーク・アンスコムヘッドコーチ率いるカナダ代表はトライを4本決めるも、アルゼンチンXVに追加点を許しそのまま振り放された。笛が鳴る直前にカナダは意地のトライを2本決めるも、苦汁を飲まされる展開となった。

フィジー代表 62-12 アメリカ選抜 XV

アメリカ選抜XV相手の初戦に臨んだフィジーウォリアーズは、6トライ獲得で前半を支配し、最後は粘る敵陣をさらなる4トライで振り切り勝利を掴んだ。 

前半7分、フィジー生まれのマタイ・レウタのタッチダウンで先制トライを決めたのはアメリカ選抜だった。しかし、巧みなボールハンドリングからフレデリック・ヒックスのトライが生まれ、フィジーは早くも同点に追いついた。

その後、アメリカ選抜のマーティン・イオセフォがシンビンとなり、アドバンテージに乗じたフィジーはエレマシ・ラドロドロとメサケ・ドゲの活躍でさらなるトライを重ねた。

アメリカ選抜は粘り続けるも、イエローカードを2枚もらうも、スクラムハーフのスティーブン・トマシンがタッチダウン。だが、3枚目のイエローカードでアメリカは連続トライを許し、試合終了までフィジーがフィールドを支配する展開となった。

サモアA 44-42 ウルグアイA

控えめのスタートを切った試合は前半32分、オネオネ・ファアフゥのトライで、ようやくテンポが増した。懸命なディフェンスでサモアのオペ・ペレセウマの攻撃をゴールライン間際で阻止したウルグアイだったが、ファアフゥ選手の好プレーでボールはそのまま再生され、サモアがタッチダウン。

そのわずか数分後、メキ・マゲレがチーム2本目のトライを挙げ、ファアパレ選手のコンバージョンも決まり、サモアはリードを15-6に広げた。だが、ウルグアイはスクラムを支配し、ペナルティートライを獲得、わずか2点差でハーフタイム入りとなった。

後半開始からまもなく、途中出場のスアマリエ・トゥイレトゥフガがタックルを破り抜けサモアの点差を広げた。奮闘を続けたホームチームはその後、2本目のペナルティートライで押し返し、ゴールポストを見事に通過したコンバージョンがスコアを20-20に並べた。 

僅差の戦いは得点の奪い合いとなった。イエローカードを2枚もらったウルグアイはそれでも相手にしがみついたが、ペレセウマ選手の好プレーで41-32というスコアでサモアがリードを広げた。

張り詰めた終盤戦では、ドロップゴールを外したエチェベリー選手がペナルティーゴールを決め、ウルグアイがまさかの逆転に成功した。だが、プレッシャーをかけ続けたサモアはブレイクダウンから獲得したペナルティーゴールをスムーズに決め、最後はサモアの逆転勝利でノーサイドとなった。

写真: ウルグアイラグビー協会