8月8日(月)にデオドロ・スタジアムの決勝戦を制したのは、トップシードの優勝候補筆頭でオリンピック大会に臨んだオーストラリアだった。期待どおりのパフォーマンスで世界の舞台を支配したオーストラリアは、24−17というスコアでニュージーランドを下し、見事オリンピックにおける女子セブンズ競技初の金メダルを手にした。

金に輝いたオーストラリアとは、銀を収めたニュージーランドと、銅メダルを獲得したカナダ代表がメダルの表彰式で横に並んだ。

同じく最終日に行われた順位決定戦では、アメリカがフランスを下し5位の座を獲得した。一方、フィジーはスペインに敗れ7位に終わり、日本はホームチームのブラジルに敗れて10位に終わった。9位となったブラジルは、2016-17のワールドラグビー女子セブンズシリーズのコアチームに昇格する。11位決定戦では、ケニアが大会初の勝利でコロンビアを下し、最下位を逃れた。

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リオデジャネイロオリンピック女子セブンズの決勝戦は、ラグビーファンの多くが予期していた展開となった。第1と第2シードとして大会に臨んだオセアニアコンビのオーストラリアとニュージーランドは、共に七人制ラグビーワールドカップと、全HSBCワールドラグビー女子セブンズシリーズ制覇の成績を誇る。

豪快なタックルでオーストラリア代表からボールを奪ったニュージーランド代表は試合序盤にチャンスを作り出した。その後、オーストラリアがラインアウトでペナルティーを犯し、隙に乗じたニュージーランドのケイラ・マカリスターが先制トライを奪った。

反撃に出たオーストラリアのエマ・トネガトは、ゴールライン間際でタイラ・ネイサンウォンのタックルをくらい倒されたが、その直後に反則をしてオーストラリアに再びチャンスが訪れ、エマ・トネガトがトライを決め、スコアを同点にした。

ところが、どちらに転がってもおかしくない試合の前半終了前で、行方を大きく左右するイエローカードが出現した。準決勝でハットトリックヒーローに輝いた、ニュージーランドのエース、ポーシア・ウッドマンがデリブレトノックオンのペナルティーでシンビンをもらった。その直後にオーストラリアのエバニア・ペリーティーがゴールラインを破り、10−5で前半を折り返した。

ハーフタイム明けは、オーストラリアのグリーン・マシーン、エリア・グリーンが快速な走りでトライを決め、リードを17−5に広げた。焦りが浮上し始めたニュージーランドは、自陣の22mライン付近で反則を犯し、オーストラリアのシャーロット・キャスリックにトライを許し、点差がさらに拡大。

ニュージーランド代表のケイラ・マカリスターが後半の終盤にトライを決めるも、大会中絶えずフィールドで輝きを見せたシャーロット・キャスリックがさらなるトライを決め、オーストラリアは金メダルに一歩近づいた。

24−5というスコアでオーストラリアがリードを堅持するなか、試合時間残り4分となった。試合終了間際にポーシア・ウッドマンがトライを奪うも、逆転の可能性が散ると同時に前半のイエローカードの重みがのしかかった。24−17というスコアで奮闘は幕を閉じ、オーストラリアがオリンピックチャンピオンに輝いた。

3位決定戦

予選プールC組で戦った両サイドの1戦目では、チームGBが気迫に欠いていたカナダを支配し、圧倒した。しかし、準決勝戦で飲まされた苦汁をモチベーションに切り替えたのはカナダだった。

オープニングトライを挙げたのは、スペースを上手く利用したカナダのカレン・パクインだったが、その直後にアリス・リチャードソンが出したクロスフィールドのキックパスをダニエル・ウォーターマンがトライに繋げ、、チームGBが逆転。 

その後、ピッチに空きを見いだしたカナダのジスレーヌ・ランドリー攻撃に出て、トライを収めた。流れがつかめないイギリスはハーフタイム前にエミリー・スカラットをシンビンに失い、その間にカナダのケリー・ラッセルがタッチダウン。26−5でカナダのリードでハーフタイムに入る。

ブレイクダウンでは、フィジカル面で支配したカナダは、ジャスミン・ジョイスに1トライ許すが、その後ジスレーヌ・ランドリーが再びゴールラインを破り、33−10でカナダが完勝し、銅メダルを獲得した。

5位決定戦

どちらのサイドも、ボールハンドリングやブレイクダウンでのミスが目立ち、敵陣の22m内に割り込むことができないままピッチの中心でのプレーが5分間続いた。ようやく相手のディフェンスを切り裂き、試合初のトライを挙げたのは、フランス代表のカミーユ・グラシノーだった。5−0というスコアでフランスがリードを堅持したままのハーフタイムとなった。 

しかし、リスタート直後にアメリカのアレブ・ケルターが自らのトライをコンバージョンし、イーグルスが逆転に成功。続いて、ジェシカ・ジャベレットがディフェンスをかわし得点を追加。5位決定準決勝ではスペインを19−5で圧倒したフランスも、アメリカを相手に反撃ができないまま、ジョアン・ファアヴェジにトライを許し、19−5で敗化。フランスは6位に終わり、勝者のアメリカは5位となった。

7位決定戦

リオ2016歯医者復活トーナメント(オリンピック最終予選)で優勝したスペインは、21−0でフィジーを下し7位の座を獲得。

2014年南京ユースオリンピックでも活躍したパトリシア・ガルシアやアマイア・エルビナをメンバーに含むスペインは、前半で完全なる支配力を発揮した。試合序盤では、ハイタックルなどで反則を取られたフィジーがスペインのパトリシア・ガルシアに先制トライを許した。続いて、アマイア・エルビナがゴールラインを超え、アメリカが14−0のリードでフィジーを突き放す。試合終了直前にも攻撃を仕掛けたアメリカは、イエラ・イチェバリアがトライを獲得し、21−0で快勝した。スペインが7位に終わり、フィジーは8位となった。