RWC 2019 日本大会、予選プロセスが開幕

3月5日(土)セントビンセント及びグレナディーン諸島(通称セントビンセント・グレナディーンズ)でRWC2019日本大会の予選プロセスが開幕した。セントビンセント・グレナディーンズ対ジャマイカの第1戦はRWC2019日本大会に向けての第一歩を象徴する。予選プロセスの重要な点は、どのチームにもRWC2019日本大会に出場するチャンスがあるということ、そしてワールドラグビーのフルメンバーである協会のどれもが最高峰のレベルでプレーすることを目指して成長できることだ。

大会の正式なオープニングセレモニーまであと残り3年半あるが、RWC 2019 日本大会のの予選プロセスは今月幕を開けた。およそ200試合にわたって行われるRWC2019日本大会の予選プロセスは現在ブラジル、ロシア、インド、中国そして米国とメキシコなど、6大陸から3,000人を超える選手と、90カ国以上のラグビー協会が参加する。

ワールドラグビーによる『Get Into Rugby』などの草の根プログラムをとおして世界のラグビー人口は773万人に増加し、さらにオリンピック競技にも導入され、世界的に競技としての人気が上昇している。

残る8枠の日本大会出場権

地区予選とプレーオフに分けられているRWC2019 日本大会の予選プロセスを通過できるチームは残り8枠ある。

ワールドラグビーの会長ベルナール・ラパセ氏は「ラグビーワールドカップ2015イングランド大会の予選を通過したチームは誇りをもって大会に出場することができました。私たちは昨年のRWC2015 イングランド大会を基に、予選プロセスでの国際的な競争率をあげることに努めています」とコメントした。

さらに「予選プロセスでは世界中で登録されている各国ラグビー協会にワールドラグビー主催のグローバルな大会でプレーする機会が与えられます。ワールドラグビー世界ランキングの対象ともなります。つまり世界ランキングを基にチームの成長を計ることが可能になるということです。」と加えた。

2019年に世界を迎える日本

ラグビーワールドカップ 2019 組織委員会の事務総長 嶋津 昭氏は次のように話した。「ラグビーワールドカップ 2019 組織委員会と開催都市は予選プロセスが開始したことで盛り上がっています。RWC2019日本大会に参加する全てのチームとファンのみなさんを厚く歓迎します。RWC2015イングランド大会では視察を行い、引き継ぎを受けてきました。私たちはアジア初のラグビーワールドカップを開催するための新たな準備段階に入ることにとても感激しています。誰もが誇りに思うことができる画期的な大会にするために努力していきます。」

2015年イングランド大会プール戦でそれぞれプールのトップ3となった計12チームはすでにRWC 2019日本大会の出場権を獲得している。残りの8チームは各地区予選大会とプレーオフを含む予選プロセスによって決められる。また今大会初となる、独立した敗者復活最終予選(総当たり戦)によって最後の出場チームが決定され、2018年11月にはすべての出場チームが発表される。

予選プロセスについて

12チームが予選免除で出場権を獲得 RWC 2015 イングランド大会の各プール戦で上位3位のチームに入った国(計12チーム)は予選免除で自動的に出場権を獲得。
《RWC2015 イングランド大会で予選免除となったチーム》
ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチン、アイルランド、スコットランド、フランス、ウェールズ、ジョージア、日本、イングランド、イタリア

残る8枠のRWC2019日本大会の出場権の決定方法は以下のとおり。

  • ヨーロッパ地区予選(1枠) ラグビーヨーロッパ・チャンピオンシップ(ヨーロッパ選手権)で最上位のチーム(ジョージアを除く)は RWC 2019 の出場権を得る。
  • オセアニア地区予選(2枠)2016年6月から2017年にわたってホームアンドアウェー方式で行われるパシフィック・トライネーションズ・チャンピオンシップで上位の2チームが出場権を得る。 
  • ヨーロッパ・オセアニアプレーオフ予選(1枠)パシフィック・トライネーションズ・チャンピオンシップで3位に終わったチームは、ホームアンドアウェー方式でラグビーヨーロッパ・チャンピオンシップの2位(ジョージアを除く)とプレーオフで対戦。勝者は RWC 2019 の出場権を獲得し、敗者は敗者復活最終予選に進む。
  • アメリカ地区(2枠)カナダとアメリカはホームアンドアウェー方式で試合を組み、得点数で勝ったチームが RWC 2019 の出場権を得る。敗者は南米のトップチーム(アルゼンチンを除く)と対戦し、勝者はRWC 2019 の出場が決まる。敗者は敗者復活最終予選に進む。
  • アフリカ地区(1枠)ラグビーアフリカチャンピオンシップの優勝チームは RWC 2019 に出場する。準優勝チームは敗者復活最終予選に進む。
  • アジア・オセアニア地区のプレーオフ アジアラグビーチャンピオンシップで最上位のチーム(日本を除く)はホームアンドアウェー方式でオセアニアカップの優勝者と対戦。 勝者は敗者復活最終予選に進む。
  • 敗者復活最終予選(1枠) 総当たり制の敗者復活最終予選では、4チームのうち首位の1チームのみがRWC 2019の出場権を獲得する。
  • ラグビー界最大の舞台に立つチャンスをより多くのチームに与え、パフォーマンス面で優秀なチームの出場を保証するため、アジアでの直接的な予選通過はない。日本代表の予選が免除となったためアジアラグビーチャンピオンシップで最上位に終わったチームが敗者復活最終予選をとおしてRWC2019日本大会の出場権を獲得することができる(RWC2015イングランド大会の予選プロセスと同様)。
  • 予選免除の夢には叶わなかったものの、2016年と2017年に新しく開催されるパシフィック・トライネーションズ・チャンピオンシップの予選2枠、そして大陸間のヨーロッパ・オセアニアプレーオフ予選の1枠で南太平洋の強豪島国トリオ(サモア、トンガ、フィジー)が揃ってRWC2019日本大会の出場権を獲得する可能性はまだある。さらにオセアニアカップの優勝者はアジアラグビーチャンピオンシップの最上位チームと敗者復活最終予選で最後の1枠を争う。

RWC2015イングランド大会では現地に多くのラグビー人口がいたため記録破りの観戦者数や利益を繰り出すことができた。それに対し、RWC2019日本大会では、アジアのラグビー界から昔から牽引している日本で競技をさらに拡大していくことが重要だ。

RWC2019日本大会はアジアでラグビーにより多くの人に触れさせ、競技への関心を呼ぶ大きな可能性を秘めている。世界総人口の60%および青少年人口の約80%がアジア在住であり、RWC2019日本大会はグローバルなラグビー人口の拡大に著しく貢献することだろう。