ニュージーランド代表のスティーブ・ハンセン監督は15日、準々決勝の相手フランスに対しかつての華麗さに欠けると指摘した。伝統的なフランス・ラグビーの愛好家で、同国代表のフィリップ・サンタンドレ監督を尊敬する「オールブラックス」の指揮官は、フランス国内リーグで広まるフィジカルを前面に出すプレーぶりが代表チームにも浸透してきていると見ている。

17日のフランス戦に向けた記者会見に出席したハンセン監督は「フランスにはいつも素晴らしいプレーヤーがいるんだ」と口を開いた。「フランスのラグビーは、華麗なバックスと強靭(きょうじん)なFWで構成されていた。しかし、いまはその華麗さが昔のものではない気がする」と華やかさを失っているように映るライバル国の変貌を惜しんだ。

しかし、ニュージーランドの選手たちには、予想に反してフランス代表がパス回しを軸にした本来の華麗なラグビーを展開する可能性もあると警戒を緩めていない。過去にウェールズ代表を率いたこともあるハンセン監督は「華麗さが残っているのが分かる。解き放てば出てくるものだ。フランスは今回、フィジカルだけでなく華麗なラグビーを展開し、うちに向かってくると予想している」と慎重な姿勢を崩さない。フランスは2007年に優勝への行く手を阻まれた因縁の相手。今回も再び準々決勝での対戦で、場所も同じカーディフのミレニアム・スタジアムである。

オールブラックス3度目の優勝のためにも負けられない一戦に向け、ハンセン監督は迷うことなくキャップ数の多いベテラン選手を起用する。「うちにはコンラッド・スミスにリッチー・マコウがいる。若い選手が経験していない舞台に立っていて『ラグビー脳』がすごいんだ。複雑で難しい局面になればなるほど、彼らのような選手が大きな役割を担う。年齢を重ねていてもそれは関係ない。彼らのコンディションさえよければ、当然メンバーに選ぶことになる」と確信に満ちた口調だった。

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