来季のHSBCSVNS出場へのステップとなるセブンズチャレンジャーシリーズ2025最終戦はクラクフで2日間行われ、各チームが集まったファンの前で見ごたえのある戦いを繰り広げた。

今大会で輝いた男子ポルトガルと女子南アフリカが大会に優勝。女子ケニアと男子ポルトガルがワールドラグビーHSBCセブンズチャレンジャー2025のシリーズ王者に就いた。

3位決定戦では、男子はドイツがカナダに21-19で競り勝って、女子はケニアがタイに27-19で勝利してはともに銅メダルを獲得して、力強いパフォーマンスを見せた大会を終了した。

大会最終日に女子コロンビアと男子サモアがロサンゼルスで行われるHSBC SVNSプレーオフへの出場権を手にして、初日にLA行きを決めていた女子のアルゼンチン、ケニア、南アフリカと男子のカナダ、ドイツ、ポルトガルに加わった。

今大会を男子シリーズ総合首位で迎えたのはドイツだったが、ポルトガルが準決勝でドイツに24-17で勝ってサモアとの決勝進出を決めて状況は変わった。

決勝は手に汗握る接戦となり、7-7でハーフタイムに入るかと思われた前半終了間際にポルトガルのManuel Vareiroが素晴らしいキックからトライを決めて12-7のリードを奪った。サモアも後半反撃して半ば過ぎにJohn Vaili のトライで19-19と再び同点に持ち込んだが、最後はFabio Conceicaoがトライを決めてサモアの追従を振り切り、勝負を決めた。

この勝利で第2ラウンドのケープタウン大会に続く2大会連続優勝としたポルトガルは、シリーズ優勝も手に入れた。

ポルトガルのConceicao主将は、「我々若いチームがビッグチームとともに、この大会に出場できたことは素晴らしいことだった。自分たちはどの相手にも勝てると信じていたし、それを実際にピッチで示した」と語った。

女子の決勝では、南アフリカとアルゼンチンが対戦して21-12で南アフリカが勝利。前日のプール戦での22-0完封勝ちに続いての連勝で優勝を決めた。

今季、ケープタウンで行われた先の2ラウンドでは2大会ともケニアに優勝を許して2位に入っていた南アフリカだったが、クラクフで輝きを放った。女子スプリングボックは今大会2日間の全試合に勝利し、容赦ないペースで完璧なパフォーマンスを披露。クラクフで無敗を続けて優勝を決め、チャレンジャーシリーズを最高の形で締めくくり、素晴らしいパフォーマンスでセブンズ競技での強豪としての地位を改めて示した。

女子のシリーズ総合優勝を決めたのはケニアで、今季3ラウンドを通じて素晴らしいパフォーマンスを披露し、歴史を作った。

ケニアはケープタウンで開催された開幕からの2大会に優勝して素晴らしいスタートを切り、最後まで安定したプレーとスキル、粘り強さを発揮したが、ケープタウンでの2大会で圧倒的なパフォーマンスで流れを決定づけた。クラクフでの最終ラウンドは厳しい戦いとなり3位で終わったが、積み重ねてきた成功はシリーズ優勝には十分だった。

ケニアのGrace Okuluキャプテンは優勝セレモニーの後にコメントして、「クラクフでの2日間は厳しかったけど、私たちはしっかり立ち直ってシリーズ優勝を決めることができた。突破できなかった昨年から今年へ、やるべきことが本当にたくさんあった。

「本当に素晴らしい気分。ケニアラグビー界でこれを成し遂げた人はいなかったと思う!最初の女子チームとしてシリーズを遂げたことは、私たちにとって本当に大きな意味がある」と話した。

また、「ケニアの人たちが周りにいつもいてくれて、パーティーみたいな雰囲気でいい感じ。パーティーのあるところには必ずケニアの人たちがいる。私たちのファンがいつもいてくれてサポートしてくれていて、私たちは本当にラッキーだと思う」と述べた。

 

LAでのプレーオフ出場チーム決定

 男子カナダは、最後まで最高のパフォーマンスをキープしていたサモアに準決勝で5-28の黒星を喫して連勝がストップ。サモアは気持ちのこもった4トライで勝利を手にし、同時に5月3~4日にロサンゼルスで開催されるHSBC SVNSプレーオフへの重要な出場権獲得を決めた。

サモアのMeni Manaseは歴史的瞬間を迎えてコメントし、「僕らの最初の目標はLA大会の出場権を獲得することだったが、それを達成できた。素晴らしい成果だ。信じられない気持ちだよ!初めての海外遠征で小さな国にから来て、コーチ陣や僕らの家族にとってとても大きな意味がある」と語った。

女子準決勝のタイとアルゼンチンの対戦は21-20でアルゼンチンが競り勝ったが、この1点差が決定打となって、アルゼンチンがこの試合の勝利を収めただけでなく、コロンビアもロサンゼルス大会の出場権を獲得した。

チャレンジャーシリーズは2020年2月に、世界の7人制ラグビーの発展を促進するために導入された。ラグビーの短縮版という7人制は、世界的セブンズシリーズの導入と2016年リオデジャネイロ大会からオリンピック種目入りを遂げ、過去20分間で大きな成長を遂げてきている。

2025年のチャレンジャーシリーズは、3月1~2日と7~8日の2つの週末にケープタウンで行われた合同イベントで開幕し、続いて4月11~12日にクラクフのヘンリック・レイマン市営競技場で最終の第3ラウンドが開催された。

次は5月3~4日にロサンゼルスで行われるHSBC SVNSプレーオフに注目だ。