2024年のシリーズは1月から5月までの3ラウンドをアジア、南米、欧州の3つの異なる大陸を転戦して競う。

オリンピックと同じ男女とも各12チームが出場して、1月のUAEを皮切りに、第2戦は3月8-10日にウルグアイのモンテビデオで行い、5月18-19日の第3戦は、男子はドイツのミュンヘンで、女子はポーランドのクラカウでそれぞれ開催。3ラウンドを経て今シリーズ通算ポイントで上位4チームが5月下旬にスペインのマドリードで行われるHSBC SVNS 2024グランドファイナルで昇格を懸けて戦う。

開幕ラウンドのドバイでは、男子は各地域大会を勝ち抜いた12チームが集結。ウルグアイ、ホンコン・チャイナ、パプアニューギニア、ジョージアがプールAで、日本、トンガ、チリ、ポルトガルはプールB、ケニア、ドイツ、ウガンダ、メキシコはプールCで対戦する。

一方、女子はプールAにはベルギー、タイ、パプアニューギニア、ウガンダが入り、プールBには中国、チェチア、メキシコ、ケニア、プールCはポーランド、ホンコン・チャイナ、パラグアイ、アルゼンチンの組み合わせだ。

男女とも各組上位2チームと3位の中で上位2チームがノックアウトステージへ進出。準々決勝、準決勝、銅メダルをかけた3位決定戦、金メダルをかけた決勝を戦う。

男子日本代表のSVNS昇格挑戦

日本は11月のアジア最終予選決勝でホンコン・チャイナとの激戦を制して2024年パリ・オリンピックの出場権を獲得したが、ケニアも南アフリカとの対戦に勝利してパリ行きを決めている。このほか、ウルグアイが南米、サモアがオセアニア予選を制して出場権を獲得している。

男子7人制日本代表の林大成選手は、「トレーニングをしていても、大会や公式戦でないと得られないものがすごくある」と話しており、経験値の若い選手が多い日本チームもアジアシリーズなどでの負けも含めて、さまざまな試合経験を積むことでチームとしてまとまってきたという実感を得ている。アジア最終予選後にも「いろいろなチャレンジをしてチームがどんどん強くなっている実感があるし、すごく充実している」と話していた。

チームを率いるサイモン・エイモー男子7人制日本代表ヘッドコーチもオリンピック出場権獲得後に、「勢いに乗れない時に特別なことをするのではなく、基本的なことを徹底してやろうといういい判断を見せた。守備でもミスから修正する実行力がよかった。判断が上がっている」と選手たちの成長を認めた。

英国セブンズ代表を2016年リオデジャネイロ・オリンピックで銀メダル獲得に導いたイングランド出身の指揮官は、ゲーム理解や連携上げて、アジア最終予選を戦ったチームを基本にパリ・オリンピックへのチームを固めていく意向を示していた。

日本チームは年明け早々にUAEへ入り、強化とセレクションと兼ねた合宿を実施してきた。ドバイ大会では12日にポルトガル、チリ、13日にトンガとプールBで対戦する。

初戦で対戦するポルトガルのDuarte Moreira選手は、「チャレンジャー大会は僕らがSVNSシリーズに戻る新たな機会で大きなチャレンジになる」と述べて、昨年のラグビーワールドカップに出場した同国15人制代表を刺激に「今度は僕らが自分たちを超えて彼らのようになる時だ」と意気込んでいる。

今回のチャレンジャー大会は、対戦相手だけでなく、大会様式もオリンピックに準じたフォーマットで実施。チームにとってはSVNS 2025への昇格を懸けた戦いのみならず、7月下旬のオリンピックへ向けてチーム強化を図る重要な機会となるのは間違いない。