初代WXV2タイトル争いは得失点差で決まる接戦だった。

 ケープタウンで開催されたWXV2の最終戦で28日にイタリアがアメリカに5トライを挙げて30-8で勝利。3戦全勝でスコットランドと勝点15で並んだ。

しかし、27日に日本に38-7で勝利していたスコットランドは得失点差55だったのに対してイタリアは53で、得失点差でわずかに及ばず、スコットランドがWXV2タイトルを獲得した。

 イタリアはLO Giordana Ducaが28分にトライで逆転し、ボール保持率とテリトリーで相手を上回り、前半終了直前にもWTB Vitoria Ostuni Minuzziが5点を加えるなどで前半を12-3で折り返した。

アメリカは前半14分にSO Gabriella CantornaのPGで先制していたが、イタリアに押し込まれて前半はノートライで終わった。

それでも、後半開始4分でイタリアのSH Sofia Stefanが5点を加えた直後にも、アメリカはFL Freda TafunagのラインブレークからFL Tahila Brodyがトライを決めてさらに得点を返したが、追加点を獲ることができなかった。

スコットランドを逆転するにはボーナスポイント付の勝利が必要なイタリアはその後、WTB Alyssa D’IncaとNO8でキャプテンのElisa Giordanoが52分、58分に次々とラインを超えてリードを広げ、63分にはCTB Michela SillariがPGを決めて30-8とした。

そのあとにも、イタリアには追加点のチャンスはあった。

残り6分でラインアウトからモールで押し込み、HO Laura Gurioliがインゴールで押さえたが、オブストラクションがあったとしてトライは取り消しに。さらに、試合終了直前にもペナルティの機会を得たが、イタリアはショットを選ばずにスクラムを選択し、最終的にノックオンでトライに至らず、加点できずにタイトル獲得を逃した。

 この結果、WXV2の最終順位はスコットランド、イタリア、南アフリカ、日本、アメリカでサモアが最下位となり、この結果オセアニアがWXV2からWXV3へ降格することになった。

 

アイルランドがスペインに逆転勝利

 ドバイで行われたWXV3では、10月28日の最終戦でアイルランドがスペインに15-13と逆転勝ちを収めて優勝。来季のWXV2には欧州チームがオセアニアと入れ替わって昇格する。このため、来季のWXV2は欧州から3チームが入ることになった。

 2連勝で並ぶ上位2チームの直接対決は、スペインが前半の主導権を握った。開始10分でCTB Claudia Pena Hidalgoが華麗なステップで相手をかわしてインゴールに飛び込み、FB Amalia Argudoがコンバージョンを成功させて7-0とし、24分にもArgudoがPGを決めて10-0とリードした。

 アイルランドは試合開始1分でFL Edel McMahonが相手とのヘッドコンタクトでイエローカードを受け、いきなり数的不利に陥った。前半35分にSO Dannah O’BrienのPGで3点を返したが、その5分後にはPR Linda Djougangが反則でシンビンに。スペインにPGで3点を与えることになり、エラーも手伝って前半を3-13で折り返す苦しい展開になった。

 だが、アイルランドはハーフタイム後に反撃。60分にFL Grace Mooreが5点を返し、O’Brienがコンバージョンを決めて10-13と点差を詰めると、73分にHO Neve Jonesが逆転トライをマーク。2点差で逃げ切った。

 27日にはフィジーがカザフスタンに118-0と完勝。アイルランドとスペインの結果を受けて2位で終了した。

フィジーはWTB Adita Miliniaが4トライ、CTB Merewairita Neivosaが3トライ、WTB Atelaite RalivanawaとFB Luisa Tisoloが2トライずつを決めるなど計18トライを奪い、Tisoloはコンバージョン12本も成功させて合計34得点を挙げて勝利に貢献。チームはボーナスポイントを得て勝点を11とし、スペイン(勝点10)を上回った。

 また、ケニアはコロンビアに21-5で今大会初白星を得た。1勝2敗でカザフスタンと並んだが、ケニアが勝点5で4位となり、カザフスタンが5位に入った。

コロンビアは3戦全敗で勝点をえられないまま、最下位で終了。来季WXV3への南米チームの出場枠は、今後行われるプレーオフで決まる。

 今大会の最終結果で2024年大会の各地域の出場枠が決定。各チームは来季の出場権を求めて改めて予選から挑む。なお、WXV1とWXV2との入れ替えは最初の2年間は行われない。