今回女子の定期国際大会として初開催のWXVもWXV2とWXV3は10月27-28日が最終節で、大詰めを迎える。WXV2優勝チームには今季と来季のWXV1昇格はないが、初代WXV2覇者の栄誉が待つ。また、WXV3優勝チームはWXV2の最下位と入れ替わり、昇格を手にできる。

 現在WXV2では勝点10のイタリアが首位だが、スコットランドが勝点10で2位につけている。最終戦でスコットランドは27日に3位の日本と対戦し、イタリアは28日に4位のアメリカと対戦。スコットランドがイタリアを上回る成績を出すことができれば逆転で優勝となる。一方、イタリアはボーナスポイント付きでアメリカに勝利すればWXV2タイトル獲得が決定するが、スコットランドが日本戦でボーナスポイントなしで敗れてイタリアが勝点1を得ればイタリアがWXV2制覇となる。

 優勝の懸かるスコットランドと対戦する日本も、結果次第で5位のサモアに追い抜かれる可能性があるだけに、必勝。

 日本とスコットランドの通算成績は1勝1敗。いずれも欧州遠征での対戦で2019年11月は日本が24-20で勝利したが、前回2021年11月はスコットランドに36-12で軍配が上がった。

女子日本代表でハイパフォーマンスアドバイザーを務めるサイモン・ミドルトンは「スコットランドはとても良いチーム」と述べて、セットプレーの強さや組織力、スピードのあるバックスリーや経験豊富なバックローなど相手の強みを指摘した。

その上で、「自分たちはサモア戦でしっかりしたパフォーマンスを見せることができた。基本は自分たちをどう成長させるか。スコットランド相手にいかに自分たちの強みを出せるかだ。良い相手と競争力の高い試合になると期待している」と話した。

 日本は勝利した21日のサモア戦とほぼ同じ先発メンバーで、9番に今大会初出場のSH津久井萌選手が入り、サモア戦でリザーブ出場だったPR加藤幸子選手が1番で先発する。

 イングランドのエクセターで2季プレーした加藤選手は、「過去2戦して1勝1敗なので勝ちたい」とコメント。イングランドのプレミアシップでプレーする選手も少なくないとして、「彼女たちの経験も強みも理解している。気持ちで負けないようにしたい」と話した。

 スコットランドは勝利した前節のアメリカ戦(24-14)と先発は変えず、リザーブメンバーの二人を変更。負傷から復帰したSarah Bonar とCoreen Grantが名を連ねた。

 最終節の対戦カードは、このほか5位のサモア(勝点1)と6位の南アフリカ(勝点0)が対戦。サモアは引き分けでも残留が決まるが、南アフリカは初勝利で残留を目指す。

 

WXV3優勝はアイルランドかスペインか

 WXV3はアイルランドが勝点10で首位に立ち、スペインが勝点9で2位につけ、この両チームがドバイで行われる10月28日の最終節で対戦する。アイルランドは負けなければWXV3タイトル獲得が決まり、スペインが勝てば逆転優勝でWXV2への昇格を手にする。WXV2には現在イタリアとスコットランドがいることから、どちらが勝っても来季のWXV2には欧州から3チームが参戦することになる。

 このほかの2試合は、3位のフィジー(勝点4)と4位のカザフスタン(勝点4)、5位のケニア(勝点1)と6位のコロンビア(勝点0)が27日に対戦する。

 ケニアとコロンビアの対戦では敗れた方が2024年WXV3の地域枠確保をかけてプレーオフに臨むことになる。

 なお、ニュージーランドで一週遅れてスタートしたWXV1は第2節。10月27日に首位のイングランドと勝点5で並ぶカナダが対戦。28日にはニュージーランドとウェールズが互いに初勝利を懸けて戦い、3位のフランスは6位で初勝利を期すオーストラリアと対戦する。

 

 

 

女子日本代表WXV2スコットランド戦試合登録メンバー:

1加藤幸子(横河武蔵野アルテミ・スターズ、21キャップ)

2谷口琴美(横河武蔵野アルテミ・スターズ、12)

3左高裕佳(弘前サクラオーバルズ、19)

4川村雅未(RKUグレース、10)

5吉村乙華(ARUKAS QUNEEN KUMAGAYA、14)

6向来桜子(日本体育大学ラグビー部女子、8)

7長田いろは(ARUKAS QUNEEN KUMAGAYA、26)

8齊藤聖奈(MIE PEARLS、39)

9津久井 萌(横河武蔵野アルテミ・スターズ、27)

10大塚朱紗(RKUグレース、20)

11今釘小町((ARUKAS QUNEEN KUMAGAYA、19)

12小林花奈子(横河武蔵野アルテミ・スターズ、11)

13弘津 悠(ナナイロプリズム福岡、4)

14松村美咲(東京山九フェニックス、4)

15西村蒼空(MIE PEARLS、7)

16小牧日菜多(日本体育大学ラグビー部女子、13)

17公家明日香((ARUKAS QUNEEN KUMAGAYA、7)

18永田虹歩(―、15)

19ンドカ ジェニファ(北海道バーバリアンズディアナ、4)

20永井彩乃(YOKOHAMA TKM、20)

21安尾琴乃(BRAVE LOUVE、8)

22山本 実(ウスター・ウォリアーズ、27)

23安藤菜緒(BRAVE LOUVE、4)

注:印はキャプテン 所属のあとの数字はキャップ数