コロナ禍による3年間の中断を経て、20歳以下の世界トップを決める大会が南アフリカのウェスタンケープ地区で開幕。ケープタウン郊外のパールで行われた開幕戦ではプールCのアルゼンチンがイタリアに43-15で勝利を収める好発進となったが、ステレンボッシュでのプールA初戦では日本がフランスに12-75と大敗し、厳しいスタートとなった。

2019年のワールドラグビーU20トロフィーに優勝して出場権を得ていた日本だったが、2018年と2019年大会に優勝して3連覇を目指しているフランスに、一時は13人になりながらも優勢を維持され、11トライを許す展開となった。

フランスは試合立ち上がり2分で左サイドの突破からCTB Nikolas Depoortere選手が先制トライ。その後もスピードとパワーで圧倒し、日本の守備の甘さを突いて次々と加点し、試合開始から16分間で4トライと4コンバージョンで28-0と大きくリードした。

日本は前半半ば、フランスにペナルティが続いた展開を突いて相手22メートル内に攻め入ると、前半26分にラインアウトからゴール目でフェーズを重ねて粘り、最後はこぼれ球に反応したFB武藤航生選手がトライ。SO楢本幹志朗選手のコンバージョンも成功して7点を返した。

しかし、フランスはすぐに得点して主導権をキープ。ペナルティが続いて、前半33分にはDepoortere選手が危険なタックルをしたとしてイエローカードを受けて10分間のシンビンになるが、その間にもトライを決めた。

さらに、前半終了直前にも途中出場したバックローのEsteban Capilla選手がイエローカードを受けて2人少ない状況になるが、フランスはブレークダウンで日本にプレッシャーをかけ続けて得点を許さず、42-7で前半を折り返した。

後半に入ってもフランスの優勢は変わらず、Mathis Ferte選手、試合に戻ったDepoortere選手が連続トライを決めて56-7とリードを広げる。

日本は61分に相手のペナルティで敵陣に入り、ラインアウトからモールで押し込んで途中出場のHO大本峻士選手がインゴールで押さえて5点を返したが、そこまで。フランスはその後も得点を加え、最後まで力を見せつけて圧勝した。

「いいスタートを切れてとてもうれしい」と話すフランスのLenni Nouchi主将に対して、日本のCTB大町佳生キャプテンは「僕らのラグビーは最後まで諦めない、タフな精神を持ち続けるのが持ち味。結果として負けてしまったが、あと4試合ある。そこへ向けてしっかり準備していきたい」と述べた。

パールで行われたプールAのもう1試合では、ニュージーランドがウェールズに27-26で競り勝って、7度目の優勝へ白星スタートを切った。ニュージーランドは前半5-19から後半巻き返し、ウェールズの試合終了間際の猛攻をしのいで勝利を掴んだ。

大会2日目の29日に日本はウェールズ、ニュージーランドはフランスと対戦する。

アルゼンチン、南アフリカなど白星発進

 開幕戦でアルゼンチンとイタリアが対戦。序盤からアグレッシブなプレーを見せてPGで先制したイタリアだったが、前半15分にPRのDestiny Aminu選手が危険なタックルで退場となり、14人で戦うことになる。

 それでも前半21分にDewi Passarella選手が個人技で突破して、先制トライを決めて8-0とリードしたが、数的優位を得たアルゼンチンが反撃。SO Juan Baronio選手のトライとコンバージョンで1点差に詰めると、前半終盤に主将のFL Eliseo Chiavassa選手とWTB Mateo Soler選手の連続トライなどで21-8とリード。ハーフタイム直後にもLO Efrain Elias選手がインゴールで押さえて、28-8とした。

 イタリアも14人で粘るが、63分にはアルゼンチンがラインアウトからモールで押し込み、途中出場のHO Valentino Minoyetti選手が得点。5分後にはDavid Odiase選手が5点を加え、さらにBaronio選手がロングレンジからドロップゴール、FB Benjamin Elizalde選手のトライなどで加点を続けて、43-15で勝利した。

 プールCのもう1試合では、南アフリカが粘るジョージアを振り切って33-23で勝利した。

このほか、プールBではイングランドがアイルランドと34-34で引き分け、オーストラリアはフィジーに46-37で競り勝った。オーストラリアはMason Gordon選手とDarby Lancaster選手が試合終盤の連続トライでフィジーを突き放した。

 第2戦は6月29日に行われ、プールCではアルゼンチンはジョージア、南アフリカはイタリアと対戦。プールBではイングランドはフィジーと、オーストラリアはアイルランドと対戦する。