今季シリーズ上位4チームに与えられるパリ・オリンピック出場権の残り1枠を巡る戦いと、来季シリーズの12番目の出場権をかけたプレーオフでの4チームの戦い。さらに、すでに今季シリーズ制覇を決めているニュージーランドのロンドン大会初優勝への挑戦が絡み、今季シリーズ最終戦は初日から激戦が続く展開となった。

 オリンピック出場権を巡る戦いは、シリーズ5位のオーストラリア、同6位に並ぶサモアと南アフリカに絞られているが、このうち、オーストラリアとサモアがプールCの同組で、南アフリカはプールAで初日をスタートした。

 オーストラリアは開幕戦でスペインに33-12で勝利したが、サモアとの対戦を14-24で落とし、プール最終戦でフランスに26-12で勝って2勝1敗の2位でプール戦を突破。1位で抜けたのがサモアで、オーストラリア戦の勝利に加えてフランスに28-21、スペインに40-17で勝ち、3戦全勝で準々決勝へ進んだ。

 一方、南アフリカはニュージーランド、ホスト国の英国、アメリカと同じプールAで、初戦で地元ファンの声援を受ける英国に15-19で競り負け、第2戦でアメリカと26-26と引き分け、プール最終戦で今季シリーズ制覇を決めてロンドン大会優勝を狙うニュージーランドに21-32で敗れ、1勝1分1敗で3位となり、8強進出はならず、オリンピック出場権獲得の可能性も消えた。

 この結果、シリーズ総合勝ち点でサモアに9差のリードを奪っているオーストラリアは準決勝進出決定か、5位に入ればオリンピック出場権の獲得が決まる。一方、サモアはロンドン大会優勝、またはオーストラリアが5位以下になれば勝ち点でオーストラリアを上回り、パリ行きのチケットを獲得できる。

 21日の準々決勝ではオーストラリアはフィジーと、サモアは英国と対戦する。

また、シリーズ制覇を決めているニュージーランドはフランス、2大会連続決勝進出のアルゼンチンはアイルランドと4強入りをかけて対戦する。

 

ニュージーランドは3戦全勝で8強入り

 ニュージーランドはロンドンでも好調を維持。アメリカに35-17、ホスト国の英国に20-5、南アフリカにも勝って3連勝でプールAを1位で抜けた。

 英国はトゥイッケナムスタジアムに集まった5万を超える観客の後押しを受けて、ニュージーランドには敗れたものの、南アフリカに19-15、アメリカに21-19と競り勝って、2勝1敗で準々決勝へ駒を進めた。

 プールBでは、先週末のトゥールーズで今季2大会連続3度目の準優勝したアルゼンチンが日本に43-12、フィジーに40-12と連勝後、プール最終をアイルランドに12-14で落としたものの、2勝1敗の1位で突破。フィジーもアイルランド(33-12)と日本(54-7)に勝って準々決勝進出を決めた。

 

コアチーム決定プレーオフ、ケニアが2連勝でリード

 来季から男子シリーズが12チーム編成になるのに伴い、12番目のコアチームを決めるプレーオフを実施。先週末の10ラウンドまでの成績でシリーズ12位から14位のウルグアイ、ケニア、カナダにセブンズチャレンジャーシリーズ優勝のトンガを加えた4チームで、1回戦総当たりのプール戦を行い、上位2位チームが決勝を戦う。

 初日のプール2戦を終えて、ケニアがカナダ(24-19)とトンガ(38-26)と2連勝でプール首位に立っている。2位はウルグアイで、トンガに15-12で勝利したが、カナダに19-21で惜敗して1勝1敗。カナダも1勝1敗だが、得失点差でウルグアイが上位につけている。トンガは2連敗。

 残るプール戦ではケニアとウルグアイ、カナダとトンガが対戦する。

 

日本は3連敗で順位決定戦へ

 先週末のトゥールーズで自動降格が決まって今大会にゲスト出場の日本は、アルゼンチン戦ではRodrigo Isgro選手に開始早々に先制トライを許し、5分にもSantiago Alvarez選手に5点を加えられたが、石田大河選手が3分と7分に駆け抜けて2本のトライをマーク。前半はシーソーバトルで12-12で折り返す健闘を見せた。

 しかし後半開始直後、Luciano Gonzalez選手の後半2トライのうちの1本目を決められると、TomasElizalde、Gonzalez、Alejo Lavayen、Marcos Moneta選手らに次々とライン超えを許し、シリーズ2位の南米の雄に突き放された。

 第2戦のアイルランドではConnor O’Sullivan選手に先制を許した直後に、ティモ・スフィア選手がトライを返して7-7としたが、再びO’Sullivan選手に守備の綻びを突かれて2本目を決められると、その後も4トライを許す展開で7-40で敗れた。

 プール最終のフィジー戦でも同様の展開で、ハットトリックを達成したPaula Nayacakalou選手に試合開始直後に1本目を決められた後、宮上廉選手が3分にトライを返して一時は7-7に追いついた。だが、直後にWalesea Nacuqu選手に均衡を破られ、その後6トライを決められて7-54で敗れ、3連敗の4位でプール戦を終了。21日の9位決定準決勝では南アフリカと対戦する。