今季シリーズ最終上位4チームに与えられる2024年パリオリンピックの出場権をめぐる戦いも最終戦となり、出場枠はあと1枠だ。
開催国フランスを除いて、シリーズ優勝を決めているニュージーランド、アルゼンチン、フランスが前節までに上位4位内を確定してパリ行きを決定済み。そこに加わる最後の1枠を巡って、オーストラリア、サモアと南アフリカが競っているが、オーストラリアが勝ち点125で今季シリーズ総合順位5位につけ、116で同6位に並ぶサモアと南アフリカに一歩リードを奪っている。
オーストラリアは昨季シリーズ覇者。オーストラリアにとってロンドンは、昨年の大会でニュージーランドとの決勝に勝利して優勝した縁起の良い土地でもある。
今季は香港での開幕ラウンドに優勝し、バンクーバー大会3位で表彰台を2度経験し、ロスアンゼルス大会で4位に入った。サモアは第3ラウンドのケープタウンを制したほか、4位が香港とシンガポールの2回を数える。南アフリカも第2ラウンドのドバイで優勝し、シドニーで2位、ケープタウンで4位に入っており、接戦になっている。
ちなみに、直近のトゥールーズ大会ではオーストラリアは5位、南アフリカはベスト8、サモアは9位決定準決勝で敗れているが、1週間を経てそれぞれどんな戦いを見せるか。今季は10ラウンドで優勝チームは5チーム(オーストラリア、サモア、南アフリカ、アルゼンチン、ニュージーランド)を数える激戦となっているだけに、最終戦のロンドン大会も予断を許さない。
今回のプール戦では、南アフリカはシリーズ制覇を決めているニュージーランド、ホスト国の英国、アメリカと同じプールAで対戦する。オーストラリアとサモアはプールCで同組となり、スペイン、先週の大会で3位に入ったフランスが加わった。
また、プールBにはシリーズ2位につけるアルゼンチン、アイルランド、フィジーと前節のフランスでの大会で自動降格が決まって今回はゲスト参加となる日本が入った。
「サモアと同じ組になったが心配はしていない。自分たちのゲームに集中するだけだ」とオーストラリア主将のNick Malouf。「シリーズを通じて素晴らしいチームと対戦してきて、どの試合も大きな挑戦であることに変わりはない。自分たちは準備ができていると信じている。今季続けてきたハードワークが報われることを願っている」と語っている。
激戦必至のプレーオフ
シリーズ残留を懸けて今大会で行われる残留プレーオフも熾烈な戦いになりそうだ。
来季から男子コアチーム枠が女子と同じ12チーム制となるのを受けて、前節トゥールーズ大会終了時点で12位から14位となったウルグアイ、ケニア、カナダの3チームが、4月下旬に行われたワールドラグビー・セブンズチャレンジャーシリーズ2023で優勝したトンガと対戦する。
カナダはトゥールーズ大会で今季初の8強入りから4位に入る大健闘を見せ、ウルグアイは第3ラウンドのケープタウンと第9ラウンドのシンガポールでベスト8入りした。ケニアは、3つの大会(ハミルトン、バンクーバー、シンガポール)で10位に入ったのが最高だった。
カナダ主将のPhil Bernaは、「僕らはこれまでの自分たちのパフォーマンスに自信を持っている。ここロンドンでも同じレベルでプレーしなければならないが、良い結果につながることを願っている。ワールドシリーズはすべての選手にとって素晴らしい大会だ。来季も出場できるように全力を尽くしたい」と話している。
今回のプレーオフでは、トンガを加えた4チームによる1回戦総当たりを行い、上位2チームが来季12番目の出場枠をかけて対戦する。
日本は今秋のオリンピック予選へ強化
また、自動降格が決まった日本はロンドン大会にはゲスト参加だが、今秋のオリンピック地区予選突破と来年のオリンピック出場を目指して、貴重なチーム強化の機会となる。今季シリーズを経るにつれてプレーには改善が見られ、シンガポール大会では英国にリードを奪う善戦やアイルランドに勝利している。
ロンドン大会のプール戦では、初戦でアルゼンチン、第2戦でアイルランド、第3戦でフィジーと対戦する。
男子セブンズ日本代表の林大成キャプテンは、「(トゥールーズ大会で)結果を出せずに降格が決まったが、11月に行われるオリンピック予選に向けて、チームのピークを迎えられるように、全力で臨みたい」とコメントしている。
5月20日の大会初日に各プール2試合とプレーオフのプール戦第1戦が行われ、21日に残りの試合と各順位決定戦、プレーオフ決勝が行われる。