今季第3ラウンドのハミルトンで6位、続くシドニーで8位に入っていたサクラセブンズ女子日本代表だったが、3大会連続での8強進出とはいかなかった。
2敗でスタートしていた日本は4日のプールB最終戦で,同じく2敗して今大会初勝利を目指すスペインと対戦。準々決勝進出をかけて、3位のなかで上位2チームに入るために大量得点での勝利を狙って試合に入ったが、中盤での競り合い後、前半4分にIngrid Algarのトライで先制を許した。
しかし、その後のプレーでAlgarにイエローカードが出されると、数的優位の日本は6分に梶木真凜のトライで同点に。さらに8分にはブレークダウンでのボール奪取からパスをつないで平野優芽がトライを決め、コンバージョンも成功して12-5とリードを奪った。だが、リードは長くつづかず、直後にスペインのMaria Garciaに突破を許して同点に追いつかれた。
日本は粘り強く戦い、11分に須田倫代がインゴールで押さえて17-12と均衡を破った。その後も攻撃を続けたが得点への焦りからかハンドリングミスを連発。試合終了を告げるホーンが鳴ったあとも、ポイント獲得を目指して攻撃を継続したがスペインの守備を破ることはできず、17-12で勝利した。
この結果、日本はプールBを3位で終了したが、プールA3位のフィジー、プールC3位のカナダに得失点差で優位に立たれて8強進出はならなかった。
3大会ぶりに9位決定準決勝にまわった日本は招待参加のコロンビアと対戦。試合開始早々に大谷芽生が抜け出して先制すると、三枝千晃、梶木真凜、原わか花、辻崎由希乃、永田花菜が次々とトライを決めて43-0で勝利した。
大会3日目の9位決定戦では、プールBを4位で終えた後に9位決定戦準決勝でブラジルに12-5で勝ったスペインと再び対戦する。スペインは9位決定準決勝でブラジルに12-5で勝利した。
オーストラリア、アメリカ、フランス4強へ
来年のパリ・オリンピックの出場権がシリーズ最終上位4チームに与えられ、最下位チームは自動降格となるため、シリーズも終盤を控えて激しい戦いが続出している。
カップ戦準々決勝では、昨季シリーズ覇者のオーストラリアがフィジーに29-5で勝利。プールC首位突破のアメリカはイギリスに24-5で下して準決勝へコマを進めたが、フランスとニュージーランドはそれぞれハードな接戦を制しての4強入りとなった。
オーストラリアはAlysia Lefau-Fakaosileaの開始早々のトライで先制すると、Maddison Leviの2トライとMadison Ashbyの1トライで前半22-0と大きくリード。後半に入ってフィジーがReapi Ulunisauのトライで5点を返したが、オーストラリアは直後に1トライを加える快勝で2大会ぶりに4強進出を決めた。
今季シリーズ4位のフランスは同5位のアイルランドに先制を許したが、Joanna Grisezのトライで前半のうちに5-5に追いつくと、後半Jade UlutuleのトライとCaroline Drouinのコンバージョンで12-5と逆転。試合終了間際に粘るアイルランドがLucy Mulhallのトライで5点を加えて10-12と追い上げたが、フランスは最後までこの2点差をキープして逃げ切った。
また、アメリカはIlona Maher とKris Thomasのトライで前半を10-0で折り返すと、後半Alev Kelterが2トライを決め、イギリスの反撃を試合終了間際の1トライに抑えた。
ニュージーランド、カナダの猛攻に冷や汗
この日、地元の観客が集まったスタジアムが大いに盛り上がったのが、ニュージーランド対カナダの対戦だ。シリーズ総合10位のカナダが今季4大会中3大会を制してシリーズ首位に立つニュージーランドを、あと一歩で4強入りと言うところまで追い詰めた。
ニュージーランドはPortia Woodman-WickliffeとMichaela Blydeのトライで前半10-0とリードしたが、後半、地元ファンの声援を受けて勢いを得たカナダがハードなディフェンスで激しく抵抗。プレッシャーを受けたニュージーランドはBlydeがイエローカードを受けて数的不利になる。カナダはこの間にペナルティから攻め込み、粘り強くパスをつないで11分にKeyara Wardleyが5点を返し、BCプレイスは地元ファンの大歓声で包まれた。
残り時間2分強で攻勢に出るカナダに押されてニュージーランドはミスが続き、自陣ゴール前まで押し込まれる展開になったが、ゴールラインを背に懸命のディフェンス。これを凌いでボールを奪うと試合終了のホーンが鳴った直後に蹴り出して、10-5で辛くも試合をモノにした。
準決勝ではニュージーランドはフランスと、オーストラリアはアメリカと対戦する。一方、カナダはアイルランドと、フィジーはイギリスと5位決定準決勝で対戦する。
オーストラリアは勝てば優勝したドバイ、準優勝したケープタウン以来の決勝進出となり、今季4大会中3大会で3位を獲得しているアメリカはハミルトン大会以来の決勝で今季初優勝を狙う。一方、今季すべての大会で決勝に進み3大会で頂点に立っているニュージーランドに挑むフランスは、勝てばシドニー大会と2大会連続での決勝進出となる。