BCプレイススタジアムでの決勝を終えたブラックファーンズセブンズの選手たちは、どの顔も笑顔に包まれていた。

ニュージーランドとオーストラリアの決勝での対戦は今季3度目。開幕のドバイではオーストラリアが、ケープタウンではニュージーランドが勝利していたが、今回も激しい競り合いの末、ニュージーランドに軍配が上がった。

準決勝でフランスに36-7で勝利して決勝に進出したニュージーランドは、試合開始からボールキープして攻め続けるが、アメリカに38-0で勝って今季3度目の決勝進出となったオーストラリアも、ハードな守備で対抗。開始3分には、敵陣22メートル内のスクラムからパスをつないで、Jorja Millerがインゴールに持ち込むが、トライ寸前でオーストラリアの選手のタックルを受けてボールロスト。しかし、直後のゴール前のペナルティからSarah Hiriniがゴールに持ち込んで先制した。

オーストラリアもすぐに反応。Madison Ashbyが同点トライを決めると、ニュージーランドが前半終了直前にStacey Waakaがトライを決めて14-7。さらに、後半開始直後にMillerが5点を加えてニュージーランドがリードを広げる。オーストラリアは11分にCharlotte Caslickがゴールで押さえて再び7点差としたが、そこまでだった。

ニュージーランドはドバイから続いている連勝を24試合に伸ばして優勝。今季シリーズでは第2ラウンドから4大会連続優勝となった。

今季シリーズ最終順位で上位4チーム(開催国フランスを除く)には来年のパリ・オリンピックへの出場権が与えられるが、ブラックファーンズセブンズは今大会の優勝で勝ち点を98とし、4位以内を確定させた。女子7人制ニュージーランド代表のCory Sweeney監督は、「オーストラリアが厳しく来ることは分かっていたので、選手たちは準備ができていた」と話した。

 

3位はアメリカ

銅メダルを獲得したのはアメリカだ。フランスに19-7で勝利を収めた。

試合開始直後にNaya Tapperのトライで先制すると、Sammy SullivanとNicole Heavirlandも5点を加え、フランスのトライをCarla Nelsonの1本に抑えた。

アメリカはハミルトンでの銀メダルが今季最高で、銅メダルはこれが4度目で総合勝ち点を82に伸ばした。フランスは今季2度目の4位で勝ち点は66となった。

 

サクラセブンズは9位

9位決定戦へ進んだ女子セブンズ日本代表はスペインと対戦。今大会のプールステージでの対戦では日本が17-12で勝利していた相手との再戦だったが、今回も日本が17 -10で勝利を収めた。

日本はスペインにIngrid Algarのトライで先制を許したが、前半終了間際に平野優芽のトライと須田倫代のコンバージョンで逆転に成功。後半も再びスペインのMarta Catabrana Gilにトライを決められて12-10と追い上げられたが、試合終了間際に水谷咲良が5点を加えて逃げ切った。

日本はハミルトン大会の6位、シドニー大会の8位続く9位で終了。勝ち点を積み重ねた。

サクラセブンズの鈴木貴士ヘッドコーチは、「3大会続けてベスト8に入ることはできなかったが、選手たちが気持ちを切らさずに最後まで戦い続けてくれたのはよかった。特に、若い選手たちが体を張ってがんばってくれた」と選手のハードワークを評価。「改めて課題もみつかったので、次に向けてしっかり準備して臨みたい」と述べた。

キャプテンの平野優芽は、「チームの強みや成長を感じながら、まだまだ自分たちは強くないことを再確認した」と振り返り、課題を見つけた様子。「どの相手にもコンスタントに精度の高いプレーを発揮できるように力をつけていきたい」と話した。

須田倫代は、「フィジカル面で多くの課題が残る大会になった。次に向けて強化したい」と話し、原わか花も「この結果をしっかりと次につなげたい」と話した。

女子はこれで5ラウンドを終了。残すは3月31日~4月2日の香港と、5月12~14日のトゥールーズの2大会のみとなった。