2017-2018シーズン以来となる世界強豪が集まる国際サーキット大会復帰へ、サクラセブンズは12日のプールステージ初戦でメキシコに44-5で勝って白星スタートを切ると、第2戦でコロンビアに21-12で勝利。13日に行われた第3戦でもカザフスタンに26-5で勝ってプールFを3戦全勝で突破してノックアウトステージへ進んだ。

 同日後半の準々決勝ではベルギーに31-0と圧勝して4強へ駒を進めると、14日の準決勝でケニアと対戦。プールDを3戦全勝で勝ち抜き、準々決勝ではアルゼンチンに24-7と勝利したケニアだったが、日本は須田倫代選手(追手門学院VENUS)の先制トライと原わか花選手(東京山九フェニックス)の3トライなどで22-15と勝って決勝へ進出した。

 そして迎えた決勝では、欧州チャンピオンのポーランドと対戦したが、開始2分で2016年リオデジャネイロ・オリンピックの中村知春選手(ナナイロプリズム福岡)がインゴールに持ち込んで先制。粘り強い守備も見せながら優位に試合を運び、前半終了直前にも平野優芽選手(ながとブルーエンジェルス)が5点を加えて10-0で折り返した。

 後半反撃を試みるポーランドに対して、アジア王者の日本は辛抱強いディフェンスで対抗。後半4分に須田選手がチーム3トライ目を決めて、17-0で逃げ切った。

 3日間の大会で原選手がチームトップの10トライ、須田選手が6トライ、大竹風美子選手(東京山九フェニックス)が4トライを決め、須田選手はコンバージョン10本も成功させた。

 女子セブンズ代表を率いた鈴木貴士ヘッドコーチは、「いろいろなプレッシャーのかかるなか、選手たちが自分たちのラグビーを信じてタフに戦ってくれた。全員がハードワークして勝ち獲った勝利」と選手たちを称えた。

 平野キャプテンは、「コア昇格が懸かった今大会に懸ける思いはどのチームよりも間違いなく強かった。その思いをグラウンドでのプレーに全て出すことができた」と勝因に言及し、「これで世界と戦うためのスタートラインにやっと立つことができた」と笑顔を見せた。

 HSBCワールドラグビーセブンズシリーズ2023では翌2024年にパリ・オリンピックが開催される関係で、男子のシリーズではイングランド、スコットランド、ウェールズに代わって英国代表が参戦し、女子シリーズではイングランドが英国代表として出場することが決まっている。このため、2022シリーズで最下位だった男子セブンズ日本代表も2023シーズンに参戦する。

 また、ロシア協会が資格停止中で全ての国際大会への活動が認められていないため、ロシアは来季女子シリーズへの欠場が決定し、今季最下位のブラジルが来季残留となっている。

 これにより、サクラセブンズが来季シリーズで対戦する顔ぶれは、オーストラリア、フランス、フィジー、アイルランド、ニュージーランド、アメリカ、カナダ、英国、スペイン、ブラジルとなった。

一方、男子は南アフリカ、オーストラリア、アルゼンチン、フィジー、アイルランド、アメリカ、フランス、英国、ニュージーランド、サモア、スペイン、ケニア、カナダ、日本に、今回のチャレンジャーシリーズ決勝でジョージアに19-5で勝利して初昇格を勝ち取ったウルグアイが加わる。

女子の戦いは、2022年11月4-6日の香港での男子の開幕に続いて12月2-3日にドバイで幕を開け、5月12-14日のトゥールーズ大会まで全7ラウンドが行われる。男子は5月20-21日のロンドン大会まで全11ラウンドが予定されている。