日本は代表候補のナショナル・ディベロップメント・スコッド(NDS)で戦って勝利した18日の第1戦からメンバーを入れ替えて臨み、代表デビュー組や久しぶりにテストマッチに復帰したメンバーが、日本同様に来年のラグビーワールドカップへ向けてチーム強化を図っているウルグアイに対して好ゲームを披露した。

 日本は前半5分、ラインアウトからモールで攻め、HO坂手淳史選手が持ち出して右隅に先制トライ。その後、5年ぶりの代表戦となったSO山沢拓也選手が、相手の反則に乗じてPGで得点を重ね、9分にハーフウェイライン付近正面からのロングショットを成功させると、15分、22分にも3点ずつ加点して日本が14-0のリードを奪った。

 世界ランキング10位の日本に対して19位のウルグアイは、第1戦からミスを減らし、よりまとまったプレーを披露。攻め込む場面も作ったが、日本のハードな守備に阻まれて得点には至らない。

日本は前半終了直前の38分には、ウルグアイのパスが乱れを2018年以来代表2戦目となったCTB梶村祐介選手が逃さずにキックで奪取。これを追ったWTBゲラード・ファンデンヒーファー選手もキックで前へつなぐと、リーグワン今季トライ王のCTBディラン・ライリー選手がインゴールで抑えて代表戦初トライをマーク。日本が前半を19-0で折り返した。

後半も日本は攻勢を維持。50分、54分といずれもラインアウトからのモール攻撃を起点に攻めてそれぞれFLベン・ガンター選手、ファンデンヒーファー選手のトライで得点を重ねた。

61分には相手FLサンティアゴ・シベッタ選手がイエローカードを受けて、日本がペナルティトライを獲得。さらに63分には梶村選手が代表初トライをマークして、後半途中出場のSO李承信選手のコンバージョンも成功して、日本が43-0とリードを広げた。

しかし後半は、反撃を試みるウルグアイの抵抗や新たなメンバー編成ゆえの連携の乱れもあって、日本はミスやペナルティが増加。69分にはPR稲垣啓太選手がハイタックルでイエローカードを受けるなど、試合終盤は相手が勢いを持って攻め込む状況を許した。74分にはゴール前のペナルティを起点に、最後はNO8マヌエル・アラダオ選手が押さえて1トライを返し、SOフェリペ・エチェベリー選手のコンバージョンも成功。この試合初得点をマークしたが、日本が43-7で勝利した。

ウルグアイ代表のエステバン・メネセスヘッドコーチは、「日本のような相手には、1つのミスが失点につながる。そういう試合だった。この試合から学ぶことは多く、テクニック、フィジカルの面にも取り組んで、来年の大会で良い試合ができるようにしたい」と話した。

キャプテンのCTBアンドレス・ビラセカ選手は、第1戦の日本に比べて「展開がスピードアップした。自分たちはペナルティを繰り返して厳しい試合になったので、規律をもっと磨かないとならない」と振り返り、「ハードな遠征だったが、若手も入って経験ある選手と融合したメンバーで臨んだ2試合を通じて、様々な経験を得ることができた。我々の目標のワールドカップで活かしていいきたい」と語った。

 

2019RWC以来の堀江選手、「楽しかった」

 2019年ラグビーワールドカップ日本大会以来の代表戦に、後半22分から出場したHO堀江翔太選手は、「久しぶりの試合で楽しかった。代表としてできるのはすごく誇らしいと思った」と振り返った。

 「チームが若いので、プレー中のコミュニケーションとりながらやりたいと思っていたが、今のチームはまとまっているという印象。(活動開始から)まだ数週間だが、いままで代表やってきたことが根付いてきたから、まとまっているのかなと思う」とコメント。元イングランド代表DFコーチのジョン・ミッチェルを迎えて取り組んでいる守備についても、「僕らがいろいろ学んで一人ひとりが成長できている」と語った。

稲垣選手も、「頼もしい人物が帰って来た」と堀江選手の復帰を歓迎。「選手の入れ替わりが今回多かったが、選手はすごくコネクションを獲れている。選手が何をすべきか、理解しているからだと思う」と新たなチームへの手ごたえを示した。

また、2017年にアジア勢との3試合を経験して以来の代表戦に「ファーストキャップのような気持ちで、ちょっと緊張した」という山沢選手は、「自分のやるべき仕事はそれなりにできたかと思う」と振り返った。

「速いテンポを出せたのはよかったが、その中でスコアまでつなげられていないところがあった。相手のディフェンスに対して、どういうアタックが効率的か。プレー選択にバリエーションを交えながらやっていけば、もっといいアタックができると思う」と手ごたえと課題を口にした。

 ジョセフ日本代表は代表スコッドの新たな編成での今季テストマッチ初勝利に、「久しぶりの選手や新しい選手が多くいたが、この数週間、宮崎合宿でとても良い準備をしてくれていたので、いい感覚で試合に臨めたし、実際に入りも良く、試合をコントロールしてリードも奪った。いいスタートになった」と評価した。

その一方で、来週からの世界ランキング2位のフランス代表との2連戦や来年のフランス大会を念頭に、「最後の20分はボールが手につかず、取りこぼしもあって学ぶところは多い。ティア1レベルにああいう試合をすれば難しくなる」と指摘した。

キャプテンの坂手選手も、「ペナルティは多かった。それで相手を勢いにのせてしまいk攻撃させてしまった」と反省。「コミュニケーションを上げていけば、もっと脅威になるディフェンスができるし、ペナルティも減らして、相手にプレッシャーをかけることができる。修正したい」と振り返った。

日本は次にフランス代表と7月2日に愛知県豊田スタジアム、9日に東京の国立競技場で対戦する。

 

 

日本代表 ウルグアイ戦第2戦出場メンバー

1稲垣啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)

 →17森川由起乙(東京サントリーサンゴリアス)、後半41分

2坂手淳史*(埼玉パナソニックワイルドナイツ)

 →16堀江翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、後半22分

3木津悠輔(トヨタヴェルブリッツ)

 →18ヴァル・アサエリ愛(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、後半10分

4ジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ)

5ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京)

 →19サナイラ・ワクァ(花園近鉄ライナーズ)、後半10分

6リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)

7ベン・ガンター(埼玉パナソニックワイルドナイツ)

→20古川聖人(トヨタヴェルブリッツ)、後半17分

8ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)

9齋藤直人(東京サントリーサンゴリアス)

 →21中嶋大希(コベルコ神戸スティーラーズ)、後半22分

10山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)

 →22李 承信(コベルコ神戸スティーラーズ)、後半22分

11シオサイア・フィフィタ(花園近鉄ライナーズ)

 →23中野将伍(東京サントリーサンゴリアス)、後半25分

12梶村祐介(横浜キヤノンイーグルス)

13ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)

14ゲラード・ファンデンヒーファー(クボタスピアーズ船橋東京ベイ)

15野口竜司(埼玉パナソニックワイルドナイツ)

注:* はキャプテン

 

ウルグアイ代表試合出場メンバー:

1フアン・エチェベリア(ペニャロール)

→17エドゥガルド・ベニテス(ペニャロール)、後半19分

2ギジェルモ・プハダス(ペニャロール)

 →16エミリアーノ・ファッセニーニ(ペニャロール)、後半30分

3イグナシオ・ペクロ(ペニャロール)

 →18マティアス・ブランコ(ペニャロール)、後半30分

4エリック・ドサントス(ペニャロール)

5ディエゴ・マニョ(ペニャロール)

 →19トマス・エチェベリー(ペニャロール)、後半30分

6ルカス・ビアンキ(ペニャロール)

 →20フランコ・ラマナ(モリアーノ)、後半17分

7サンティアゴ・シベッタ(ペニャロール)

8マヌエル・アルダオ(ペニャロール)

9トマス・インシアルテ(ペニャロール)

 →21サンティアゴ・アルバレス(ペニャロール)、後半30分

10フェリペ・エチェベリー(ペニャロール)

11バウティスタ・バッソ(ペニャロール)

12アンドレス・ビラセカ*(ペニャロール)

13ニコラス・フレイタス(ヴァンヌ)

 →23バルタサール・アマヤ(ペニャロール)、後半22分

14ファンマヌエル・アロンソ(ブリーブ)

 →22マテオ・ビニャールス(ペニャロール)、後半10分

15ロドリゴ・シルバ(ペニャロール)

注:* はキャプテン