来年のラグビーワールドカップへ向けた選手層拡充を念頭に、「リポビタンDチャレンジカップ2022」テストシリーズの第1戦を日本代表候補メンバーで戦って34-15で勝利した日本は、この第2戦で代表スコッドでの編成にシフトチェンジ。チームのレベルアップを図る。
日本代表のジェイミー・ジョセフヘッドコーチは、「ホームで迎えるテストマッチ3連戦の初戦。ウルグアイは先週負けているだけに、しっかりファイトしてくるだろう。暑さもあるので厳しい試合になると見ているが、ここ数週間準備してきたプレーやコンビネーションなどを出せれば成功だ」と語る。
日本は第2戦の先発メンバーにFLリーチマイケル選手、PR稲垣啓太選手、キャプテンの坂手淳史選手ら、前回のワールドカップ2019日本大会を戦ったメンバーとともに、昨年の欧州遠征から代表入りしているLOジャック・コーネルセン選手やCTBディラン・ライリー選手らが名を連ねた。
今回が代表デビュー戦となるWTBゲラード・ファンデンヒーファー選手を14番に起用したほか、リザーブにも初キャップ獲得を目指すPR森川由起乙選手、LOサナイラ・ワクァ選手、SO李承信選手の3人を加えた。
SOには山沢拓也選手を起用。2017年に韓国などアジア勢との3試合に出場して以来の代表戦でSH齋藤直人選手とコンビを組む。CTB梶村祐介選手も代表デビューとなった2018年ロシア戦以来で、PR木津悠輔選手は2019年8月のアメリカ戦以来の出場だ。リザーブに入ったHO堀江翔太選手も2019年ワールドカップ準々決勝の南アフリカ戦以来の復帰となる。
ジョセフヘッドコーチは、「ファーストキャップが4人、久しぶりのテストマッチで、過去にアジア勢との試合しか経験していない選手もいる。経験のある選手が引っ張って良い試合をして、ワールドカップへつなげてほしい」と期待している。
山沢選手、5年ぶりの代表戦へ
これまでSOを務めてきた田村優選手(横浜キヤノンイーグルス)と松田力也選手(埼玉パナソニックワイルドナイツ)が不在のなか、10番を務める山沢選手は自身5年ぶりのテストマッチを前に、「フレッシュな気持ちでプレーしたい。(合宿で)きつい練習を乗り越えてきた。疲労はあるが、自分がやれることをやりきりたい」と話す。
リーチ選手は山沢選手について、「彼は自分で自己表現できる選手。今までやって来た10番が二人ともいないが、いい準備ができたと思う。僕もサポートできる選手もたくさんいる。落ち着いてプレーできればいい」と話す。
リザーブには北九州出身のFL古川聖人選手とCTB中野将伍選手も入り、地元での代表戦へ中野選手は、「北九州で日本代表として試合できるのは、めったにない機会。楽しみながら成長した姿をしっかり見せたい。一試合一試合、チャンスが来た時に自分が持っているベストパフォーマンスを出し続けることが来年に向けたステップアップになる」と話している。
2016年5月の香港戦以来の代表戦となる古川選手も、「目の前のことを一生懸命やるプロセスを重ねていくことで、先につながってくる。自分の持っている力を全て出し切って、僕のような体が小さい日本人でもやれることを証明したい」と意気込んでいる。
2019年大会でキャプテンも務めたリーチ選手は、2023年フランス大会へ向けて「新しい選手がテストマッチを経験できるのは、チームにとって素晴らしい経験だと思う」と述べて、「久しぶりの日本のテストマッチ。いいパフォーマンスをして(7月の)フランス戦でいいチャレンジができるように頑張りたい。バックローの選手層もかなり厚くなってきている。油断せずに自分のよいパフォーマンスを出したい」と話して、気を引き締めていた。
ウルグアイ代表、要求度の高い試合を予想
一方のウルグアイは、18日の第1戦からいくつか変更。これが代表デビュー戦となるWTBバウティスタ・バッソ選手を11番に起用し、前節のリザーブからWTBファンマヌエル・アロンソ選手を14番、LOディエゴ・マニョ選手を5番、PRファン・エチェベリア選手を1番に昇格。リザーブにはイタリアでプレーするFLフランコ・ラマナ選手、同じく第1戦はメンバー外だったPRマティアス・フランコ選手を加えた。フランコ選手はこの試合で代表デビューを待つ。
SHトマス・インシアルテ選手とSOフェリペ・エチェベリー選手の9番10番のコンビや、キャプテンCTBアンドレス・ビラセカ選手とフランスでプレーするCTBニコラス・フレイタス選手のセンターの顔ぶれも維持している。
ウルグアイ代表のエステバン・メネセスヘッドコーチは、「日本はより強いチームで臨んでくるため、要求度はさらに高くなるだろう。我々は自分たちのプレーの修正に集中して、全力で日本という偉大な対戦相手と戦いたい」とコメントした。
日本代表 ウルグアイ戦第2戦試合登録メンバー
1稲垣啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ、39キャップ)
2坂手淳史*(埼玉パナソニックワイルドナイツ、27)
3木津悠輔(トヨタヴェルブリッツ、3)
4ジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ、6)
5ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京、1)
6リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京、72)
7ベン・ガンター(埼玉パナソニックワイルドナイツ、2)
8ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、2)
9齋藤直人(東京サントリーサンゴリアス、6)
10山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ、3)
11シオサイア・フィフィタ(花園近鉄ライナーズ、6)
12梶村祐介(横浜キヤノンイーグルス、1)
13ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ、4)
14ゲラード・ファンデンヒーファー(クボタスピアーズ船橋東京ベイ、-)
15野口竜司(埼玉パナソニックワイルドナイツ、13)
リザーブ:
16堀江翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ、66)
17森川由起乙(東京サントリーサンゴリアス、-)
18ヴァル・アサエリ愛(埼玉パナソニックワイルドナイツ、20)
19サナイラ・ワクァ(花園近鉄ライナーズ、-)
20古川聖人(トヨタヴェルブリッツ、2)
21中嶋大希(コベルコ神戸スティーラーズ、2)
22李 承信(コベルコ神戸スティーラーズ、-)
23中野将伍(東京サントリーサンゴリアス、2)
注:* はキャプテン 所属のあとの数字はキャップ数
ウルグアイ代表試合登録メンバー
1フアン・エチェベリア(ペニャロール、60キャップ)
2ギジェルモ・プハダス(ペニャロール、19)
3イグナシオ・ペクロ(ペニャロール、5)
4エリック・ドサントス(ペニャロール、9)
5ディエゴ・マニョ(ペニャロール、98)
6ルカス・ビアンキ(ペニャロール、1)
7サンティアゴ・シベッタ(ペニャロール、17)
8マヌエル・アルダオ(ペニャロール、15)
9トマス・インシアルテ(ペニャロール、23)
10フェリペ・エチェベリー(ペニャロール、12)
11バウティスタ・バッソ(ペニャロール、0)
12アンドレス・ビラセカ*(ペニャロール、67)
13ニコラス・フレイタス(ヴァンヌ、47)
14ファンマヌエル・アロンソ(ブリーブ、2)
15ロドリゴ・シルバ(ペニャロール、69)
リザーブ:
16エミリアーノ・ファッセニーニ(ペニャロール、1)
17エドゥガルド・ベニテス(ペニャロール、38)
18マティアス・ブランコ(ペニャロール、0)
19トマス・エチェベリー(ペニャロール、1)
20フランコ・ラマナ(モリアーノ、50)
21サンティアゴ・アルバレス(ペニャロール、1)
22マテオ・ビニャールス(ペニャロール、2)
23バルタサール・アマヤ(ペニャロール、2)
注:* はキャプテン 所属のあとの数字はキャップ数