• 激しい選定プロセスの末、経験豊富なラグビー運営者、ナイジェル・キャス氏をコンペティションディレクターに任命
  • 18年間で競技大会を変革させ、ハイパフォーマンス投資部長としても成功を収めたマーク・イーガン氏がワールドラグビー を退任
  • ラグビー新興国へのCOVID–19支援戦略やHSBCワールドラグビー セブンズシリーズの日程変更、また暫定的・長期的国際カレンダーに関する議論など、イーガン氏が助言を行った組織改革の取り組みは、新型コロナウィルス対策に際し大きな役割を果たした。

ワールドラグビー は、ナイジェル・キャス氏をコンペティションディレクターに任命すると発表し、ラグビー国際統括連盟の組織改革の一環として新たに生まれ変わる「コンペティション部門」を統括することになりました。

ラグビー界で最も経験豊富なコンペティションディレクターの一人であるキャス氏は、ラグビーワールドカップ以外のワールドラグビー 男子・女子大会のポートフォリオを、加盟協会のハイパフォーマンスの基準に合ったものにしながら、ラグビーへの再投資における商業的価値を最大化するものにするため、新設した部門のリーダーとして11月に就任し、競技大会戦略の実践を統括することになりました。

キャス氏はニュージーランドラグビーに20年間勤務し、最高レベルでのラグビーイベント運営に携わってきた経験を持っています。その間彼はラグビーワールドカップ2011をはじめ、ラグビーワールドカップ2021、HSBCセブンズシリーズのニュージーランド大会、そしてワールドラグビー U20チャンピオンシップ(ラグビージュニア世界選手権)2014など数多くのワールドラグビー 大会に携わってきました。また、ラグビーチャンピオンシップやスーパーラグビーなどニュージーランドラグビーが開催した国際大会や、彼の母国で開催した国内大会の運営を主導しました。

18年間ワールドラグビー へ奉仕した後、新たな挑戦に挑むため組織を辞任すると表明したマーク・イーガン氏の後任をキャス氏が就任することになりました。ラグビー界で最も傑出した人物の一人であるイーガン氏はハイパフォーマンス及び競技大会戦略を通じ、ラグビーセブンズの急成長をはじめとするワールドラグビー の大会の数々に変革や成功をもたらし、ラグビーワールドカップでは毎回、新興国がめざましいパフォーマンスを披露するようになるなどの成果を生みました。彼は東京オリンピック2020大会の組織再編やスタッフの採用などのアドバイザーとして中心的な役割を果たしており、今後も大会開催までコンサルタントとして関与することになります。

ワールドラグビー の最高責任者、ブレット・ゴスパー氏は次のように述べています。「ワールドラグビー においてこれほどインパクトのあるキャリアを積んだマークが去っていくことは悲しいことですが、我々はこれまでに彼が積み重ねてきた功績の数々を誇らしく思うとともに、辞任の予定時期を延ばし、カレンダーに関する議論など重要なCOVID–19対策イニシアチブ実践を監督してくれたことに感謝します。」

「マークの多大な貢献はラグビーの前進に大きく寄与し、我々のハイパフォーマンスコンペティションに変革を起こし、男子ラグビーワールドカップでは回を重ねるごとに新興国の競争力を高め、HSBCワールドラグビー セブンズシリーズの発展を促し、更にはオリンピック種目入りへとつなげて2016年のリオデジャネイロ五輪での輝かしいデビューを果たしました。ワールドラグビー での旅路を東京2020オリンピック大会で終えることは、プレーヤーとして日本に住み、運営者としてのキャリアをセブンズでスタートした彼にとってふさわしいと言えます。」

「ナイジェルは最高レベルのラグビー運営者としての豊富な経験と実績を持っており、新型コロナウィルスのパンデミック後、ラグビーが持続可能な成長を遂げていくための重要な時期に、彼の偉大な情熱とイノベーション、そして知識をもって「コンペティションディレクター」という新たな任務に就いてくれることでしょう。競争率の激しい選定プロセスの中でも審査員を感心させたナイジェルは、加盟協会やワールドラグビー のスタッフにもよく知られ、尊敬されており、ワールドラグビー と文化的にも相性の良い人です。新たなコンペティション部門の指導者としての彼の手腕に期待します。」

イーガン氏も次のようにコメントしています。「ワールドラグビー では一瞬一瞬を楽しく仕事することができました。それは素晴らしい旅路であり、めざましい変化と成長の時期にこの組織で働くことができたことは大きな誇りであり名誉なことでした。我々は常にゲームのために最善を尽くし、これまでの18年間、我々のスポーツの主力であり、発展と成功を遂げ続けるこのスポーツの中心的存在である大勢のインスピレーショナルな管理者やコーチの皆様、マッチオフィシャルやプレーヤーの皆様と共に仕事をさせていただくという幸せに恵まれました。ファミリーの一員として、我々が共に多くのことを成し遂げ、今、目の前に課題が横たわっているとしても、ラグビーはフィールド内外において前進し、より大きな一歩を進む準備ができたことを知りながら、お別れします。ワールドラグビー の同僚や加盟協会の皆様をはじめ、私をサポートしてくださり、共に歩んでくださった皆様に感謝いたします。」

キャス氏も次のようにコメントしています。「ニュージーランドでラグビーに携わることができたことを光栄に思います。ニュージーランド人にとってラグビーは特別な存在であり、私がラグビーの仕事に携わることができたのは名誉なことであり、当然のこととして捉えたことはありませんでした。」

「現在、国際ラグビーは類稀なチャンスに恵まれると同時に挑戦と向き合っており、私はワールドラグビー に加わってチームとともに、各国の協会とリージョンの皆様とこれらに対応し取り組んでいくことを大変楽しみにしています。新型コロナウィルスによる現在の混乱状況は、我々が今後、さらにプレーヤーとファンを巻き込んでワクワクさせるような競技大会を作るためにはどうすればよいかを再考察する機会を与えてくれました。私はこの重要な仕事に携わることにワクワクしています。」

この組織再編により、COO(最高執行責任者)兼ラグビーワールドカップ統括責任者アラン・ギルピン氏指導の下、各種大会、ラグビーワールドカップ、商業部門、放送及びマーケティング部門が足並みを揃え、より密接に機能することになります。この組織編成によりワールドラグビー がコンペティション戦略の最大化を図ることができ、ファンの拡大と収益の増幅、そしてハイパフォーマンスの成長に焦点を絞っていきます。

一方で、ハイパフォーマンス、マッチオフィシャル、そしてテクニカルサービスの機能を統括する新たな「ラグビー&ハイパフォーマンス部門」を開設することになりました。この部門に関してはテクニカルサービス部長のマーク・ハリントン氏が再編までの監督を行い、その間にラグビー&ハイパフォーマンス・ディレクターの選定を行います。

ゴスパー氏は次のように述べています。「この組織編成は、急激に成長し進化を遂げ続けるこのスポーツを支えるためにワールドラグビー が可能な限りベストポジションにいられるよう入念に考えられたものです。新たな「ラグビー&ハイパフォーマンス部門」の開設は、我々の決定事項が必ず実践されていくことを念頭に置いたものであり、すべての人にとってより強い、よりシンプルな、より魅力的で安全なゲームにしていくために、現代のラグビーにおけるフィールド上の環境のより深い理解と共感を深めていきます。」