【東京・10月30日】トライオブザイヤー2019の候補が決まり、受賞者は11月3日に東京で開かれるワールドラグビーアワードで発表される。

最終候補のうち、3トライはラグビーワールドカップ2019で記録され、残りの1トライはイタリアの主将、セルジオ・パリセが8月のロシアとのテストマッチで決めたもの。これら4候補は、元ワールドカップ優勝メンバーのフィアオ・ファアマウシリとブライアン・ハバナおよびジェイミー・ヒースリップ、ティエリ・デュソトワールで構成する国際ラグビー選手会(IRP)のトライオブザイヤー選考パネルによって選ばれた。

同パネルが2019年の受賞者を決定する(候補トライの動画は下をクリックしてご覧ください)。

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 シャルル・オリボン(フランス)

ラグビーワールドカップ2019でフランスと対戦したウェールズは、レ・ブルーの華麗なプレーに翻弄されていた。抜け出したビリミ・バカタワからオフロードパスを受けたロマン・ヌタマックがハーフバックでコンビを組むアントワーヌ・デュポンにボールを送ると、スクラムハーフのデュポンはタックルに来るリアム・ウィリアムズを引き付けつつ右隣を疾走するフランカーのオリボンにボールを託す。オリボンはそのまま独走してゴール下に飛び込んだ。極上のプレー。

セルジオ・パリセ(イタリア)

イタリアの主将、セルジオ・パリセがアッズーリにとっていかに重要な存在であるかを示したトライ。パリセはこの流れるようなプレーの起点となるとともに、フィニッシュにも持ち込んだ。パリセは、ラインアウトのボールを受けるとスクラムハーフのティト・テバルディに確実にトス。ピッチの中央でつないでジェーク・ポレドリが抜け出すスペースをつくると、イタリアは一気にロシア陣内へと突入。再びテバルディがボールを受けるとパリセにフィード。パリセはパワーで相手ディフェンスを振り切りインゴールを陥れた。

TJ・ペレナラ(ニュージーランド)

東京スタジアムでナミビアに対し不慣れなスタンドオフを務めたTJ・ペレナラは、巧みなサイドステップでプリンス・ガオセブをかわして敵陣に侵入するや、ジョージ・ブリッジに息をのむような見事なパスを送る。いったん止まった流れが勢いを取り戻すと、ブラッド・ウェバー、リコ・イオアネとつなぎ、イオアネが左タッチライン際を疾走するペレナラに常識では考えられないようなオフロードパスを出す。交代で出場していたペレナラは、オバート・ノルキヤとヘラリウス・キスティングのタックルをものともせず左隅にトライ。ジャスト。

コブス・レーナック(南アフリカ)

南アフリカのスタンドオフ、エルトン・ヤンチースが自陣22メートルラインの内側からウォリック・ジェラントに正確無比なキックパスを繰り出すと、それを受けたジェラントはDTH・ファンデルメルビをかわして一気にカナダ陣内へと疾走する。内側からサポートに走ったダミアン・デアレンデがつなぎ、さらに内側でフリーになったレーナックにボールを渡すと、レーナックは悠々とゴール下に走り込んでトライ。ラグビーワールドカップ2019のこのプールBのゲームで、開始わずか20分でハットトリックを達成した。

ワールドラグビー会長、ビル・ボーモント卿のコメント:

「素晴らしいラグビーが繰り広げられたこの1年間と、その間に記録された数多くの信じられないような素晴らしいトライがある中で、国際ラグビー選手会の選考パネルにとって、これらの候補を決定することは簡単なことではなかったでしょう。しかし彼らは見事にこれを成し遂げました」

「私たちと国際ラグビー選手会の緊密な協力を誇りに思います。そしてIRPトライオブザイヤーは、私たちが選手の福利厚生や選手に関するトピックにアプローチする上で必要なパートナーシップを反映するものです」

国際ラグビー選手会トライオブザイヤーパネル委員長、コンラッド・スミス(元オールブラックスでラグビーワールドカップ優勝チームのメンバー)のコメント:

「いくつもの素晴らしいトライがあり、最終候補に絞り込むことはとても困難なことでした」

「2019年初めに行われた男女それぞれの6カ国対抗からラブビーワールドカップ日本大会まで、素晴らしいプレーを見てきました。これらのトライは世界のラグビーのクオリティーとそこで展開された技術の証(あかし)となるもので、選考パネルのメンバーの間でとても有意義な議論が交わされました」

 ワールドラグビーアワードについては、こちらをご覧ください:

www.world.rugby/awards

過去の受賞者

2018 - ブロディー・レタリック(ニュージーランド) ニュージーランド v オーストラリア

2017 - ホアキン・トゥクレ(アルゼンチン) アルゼンチン v イングランド

2016 - ジェイミー・ヒースリップ(アイルランド) アイルランド v イタリア

2015 - ジュリアン・サベア(ニュージーランド) ニュージーランド v フランス

2014 - フランソワ・ホーハート(南アフリカ) 南アフリカ v ニュージーランド

2013 - ボーデン・バレット(ニュージーランド) ニュージーランド v フランス

2012 - ブライアン・ハバナ(南アフリカ)南アフリカ v ニュージーランド

2011 - ラディキ・サモ(オーストラリア) オーストラリア v ニュージーランド

2010 - クリス・アシュトン(イングランド) イングランド v オーストラリア

2009 - ジャック・フォーリー(南アフリカ)  南アフリカ v ブリティッシュ・アンド・アイリッシュ・ライオンズ

2008 - ブライアン・オドリスコル(アイルランド) オーストラリア v アイルランド

2007 - タクズワ・ングウェニア(アメリカ) 南アフリカ v アメリカ

Photo: Fotosportit.com / FIR