【福岡・10月9日】サモアのプロップ、ロゴビー・ムリポラは故郷の村でパンや魚の販売に従事する経験を経て、W杯に出場する夢をかなえており、若手プロップにも同様の道を歩んでもらいたいと考えている。

32歳のムリポラは2011年から、プロとしてイングランドでプレーしているが、10代の後半までラグビーに真剣に取り組む決断ができなかった。家族の生活を支えることに集中していたからだ。

「母がファアパパ(サモアの伝統的パン)をつくり、僕が他の兄弟と市場で売っていたが、父が漁師で、捕った魚も僕らが市場で売ったんだ」とムリポラは当時の生活を振り返った。「家に帰れば今でもやっている。楽しいよ。魚だけでなく何でも市場で売るよ」

「サモアの人間は生活が苦しいから、旅費の工面が大変なんだ。特に僕の実家は貧しく、全員が働かなければならない。でも、人間として僕らは貧しくはない。家族の絆という意味では豊かだ。こうした環境で僕らは育った。両親やきょうだいと助け合いながらね」とムリポラ。

ロシア戦とスコットランド戦に先発出場したムリポラは、故郷の村のマノノ・タイでのいつ終わるか分からないラグビー遊びを決して忘れないという。

「3~4人で始まるけれど、最後には子供と大人も加わって、両チームが16~17人になっているんだ。そこでタックルが始まり、ラグビーのうまい奴が目立つんだ。コンタクトプレーは村レベルで始まる。ここでうまくならないと、ラグビー選手にはなれない」

サモアのウォークライ「シバタウ」

 2009年、ムリポラはニュージーランドのホークスベイでプレーするようになり、2年後にイングランドのレスター・タイガースと契約。昨年、ニューカッスル・ファルコンズに移籍するまで同チームでプレーを続けた。

ムリポラがラグビーを続ける大きなモチベーションの一つが、金銭的に家族を支えることだ。

「僕の実家は大家族でね、毎月送金をしているけれど、そうできることでいつもハッピーだ」

ムリポラによると、太平洋諸国のラグビーのレベルは非常に上がっており、いつか若い選手を育てたいそうだ。

「サモアのラグビーを強くしたい。特にプロップを」と語った。

「サモアではプロップは不人気なポジションだけれど、レスターやニューカッスルで学んだスキルを伝えたい。若いプレーヤーが成長する手伝いがしたい」とも述べた。

サモアに帰れば、愛する「村のラグビー」にも参加するだろう。

「昔が懐かしい。ゲームを楽しみながら、相手をなぎ倒すんだ」ー。

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