マスターカード協賛のワールドラグビーの年間表彰式「WORLD RUGBY AWARDS 2017」が、11月26日にモナコのモンテカルロで開催されました。男子年間最優秀選手賞にはボーデン・バリット、女子年間最優秀選手賞にはポーシャ・ウッドマンが受賞しました。

至尊なるモナコ大公殿下と平静平安なるモナコ大公妃シャルレーヌ殿下もご出席され、過去から現在にかけて素晴らしい実績を残したラグビー界の人の受賞を祝福されました。

2009年と2010年にオールブラックスのキャプテンを務めたリッチー・マコウが2年連続受賞し、続いてボーデン・バリットもこの名誉ある賞を今年で2年連続受賞しました。

ボーデン・バリットは他にノミネートされていた、オールブラックスのチームメイトのリーコ・イオアネ、イングランド代表のオーウェン・ファレルとマロ・イトジェ、そしてオーストラリア代表のイズラエル・フォラウを抑えての受賞となりました。

バリットは、「賞を頂いたことを誇りに思い、同時に驚いています。昨年より良いプレーをしたいと思い努力してきましたが、まだまだできることがあると感じています。ライオンズツアーでは、プレッシャーはあったが、ライオンズのメンバーになれたことを名誉に思います。ライオンズツアーを通して、学ぶことは多く、特にラグビーワールドカップに向けて良い機会であったと感じています。今回この賞を受賞できたことを本当に誇りに思っております。そしてチームに感謝しています。私は素晴らしいチームの1プレイヤーにすぎません。」

ニュージーランド代表のポーシャ・ウッドマンは、8月に開催され女子ラグビーワールドカップでニュージーランドを優勝に導き、女子年間最優秀選手賞を受賞しました。

ウッドマンは、同じニュージーラード代表のチームメイト、ケリー・ブレイジャー、イングランド代表のリディア・トムソン、フランス代表のロマン・メナジェとサフェ・ンジャイェと共にノミネートされていました。

ウッドマンは、「年間最優秀チーム賞を受賞し、チームがいかに素晴らしいかを評価して頂いたことに感謝しております。チームメイトは一生懸命に頑張り、私はサイドラインでボールが来るのを待っていただけです。私の母はラグビーの大ファンではありませんでしたが、母は私が何をしようとずっと支えて応援してくれました。両親は私がいつもベストを尽くせるようにいつも励ましてくれ、今の私は彼らがいるからここにいることができると思っています。」

ワールドラグビーの会長、ビル・ボーモントは以下のように述べました。「2017年はラグビー界にとって非常に素晴らしい年となりました。今夜受賞された皆さん、おめでとうございます。」

「選手、チーム、コーチを大勢のファンの方々たちを魅了してきました。そのことに感謝申し上げます。また支えてくれたボランティアやコミュニティの方々にも感謝申し上げます。」

「ノミネートされたすべての方々、受賞した方々、おめでとうございます。素晴らしい活躍のみでなく、人格を育くむラグビーの価値観を伝えてきてくれました。」

受賞された方々は独立した委員会によって選ばれ、シックスネーションズの試合から11月の国際試合の開始までの活躍を見て投票しています。アワードに関する詳細はこちらから。

マスターカード協賛ワールドラグビー男子年間最優秀選手賞-ボーデン・バリット(ニュージーランド代表)

26歳のバリットは、世界チャンピオンのオールブラックスの司令塔として活躍し、またオールブラックスは過去6年連続の受賞となります。バリットは、2年連続受賞した選手として2人目となります。背番号10のバリットは、50キャップ目の試合となったサモア戦では2トライを含め24得点を決め、オールブラックスの歴史に残る活躍を弟とともに見せました。またライオンズシリーズでは、最多の41点をマークしました。攻撃的なフライハーフ、かつフルバックとして最後の砦として、天性的なプレイで活躍しています。今月初めに行われたバーバリアンズ戦では初めてのオールブラックスのキャプテンを務め、優勝に導きました。

ノミネート:リーコ・イオアネ(ニュージーランド代表)、オーウェン・ファレル(イングランド代表、ブリティッシュ&アイリッシュライオンズ)、マロ・イトジェ(イングランド代表、ライオンズ)、イズラエル・フォラウ(オーストラリア代表) 

マスターカード協賛女子年間最優秀選手賞-ポーシャ・ウッドマン(ニュージーランド代表)

26歳のウッドマンは、女子ラグビーワールドカップ2017に大きく貢献し、13トライを獲得しました。プール戦では香港を相手に8トライを獲得し、アメリカ戦ではセミファイナルで4トライを獲得いたしました。このことから、IRPAトライ・オブ・ザ・イヤーの候補にノミネートされ、トライを最も決めた選手となりました。元ネットボール選手であるウッドマンは、スピード、パワー、フットワークに優れており、2017年のニュージーランドのテストマッチの8試合にすべて出場し活躍しました。16トライを獲得し、16テストマッチの中では22トライを獲得し、素晴らしい成績を残しました。

ノミネート:ケリー・ブレイジャー(ニュージーランド代表)リディア・トムソン(イングランド代表)、ロマン・メナジェ(フランス代表)、サフェ・ンジャイェ(フランス代表)

ワールドラグビー年間最優秀チーム賞 -ニュージーランド女子代表15人制

ニュージーランド代表は、8月に開催された女子ラグビーワールドカップで5回目の優勝を果たしました。アイルランドのベルファストで行われた決勝戦では、イングランド代表に41対32で勝利しました。この結果を受けて、ワールドラグビー女子ランキングのトップに返り咲きました。監督のグレン・ムーアとキャプテンのフィアオ・ファアマウシリが率いるニュージーランド代表は、試合中に高得点および最も多いトライを獲得しました。ニュージーランドは6月にインターナショナル女子ラグビーシリーズを開催し、イングランドに敗れる前にオーストラリアとカナダに勝利しました。ニュージーランドは女子チームとして初めてこの賞を受賞しました。

ノミネート:イングランド男子15人制、ニュージーランド男子15人制

ワールドラグビー年間最優秀監督賞―エディ・ジョーンズ(イングランド代表)

エディ・ジョーンズは、イングランド代表の監督になってから2年が経ちました。2017年には、シックスネーションズの決勝でアイルランドに敗れた以外は、9勝という好成績で今シーズンを終えています。また、シックスネーションズではイングランドは2度目の優勝を果たし、6月にアルゼンチン代表を破り、オーストラリアとサモアにも勝ち続け、23試合のテストマッチで、22勝という記録を達成しました。

ノミネート:ウォーレン・ガットランド(ブリティッシュ&アイルランド・ライオンズ)、スティーブ・ハンセン(ニュージーランド代表)

チュードル協賛ワールドラグビー最優秀新人賞 -リーコ・イオアネ

イオアネは、ニュージーランド代表のウイングとして、昨年11月のイタリア代表戦でデビューしました。2017年には、イオアネは11試合で10トライを獲得し、国際舞台で素晴らしい活躍をしました。20歳のイオアネは、イーデン・パークで開催されたブリティッシュ&アイルランド・ライオンズに対して2得点を獲得し、8月に実施されたブレディスローカップでも、初の参加にも関わらず好成績を残しました。速さと強さに恵まれているイオアネは、

ノミネート:エミリアーノ・ボフェリ(アルゼンチン代表)、ダミアン・プノー(フランス代表) 

HSBC協賛ワールドラグビー男子最優秀セブンズ選手賞 – ペリー・ベイカー(アメリカ代表)

ペリー・ベイカーは今回候補者の中で最年長の選手です。HSBCワールドラグビーセブンズシリーズにて、最多トライゲッターとなり、通算57トライを挙げ、285得点をマークして素晴らしい成績を収めました。アメリカ代表として、だれにも負けない抜群の速さ、かつしなやかなスピードで活躍しています

ノミネート:ロスコ―・スペックマン(南アフリカ代表)、ジェリー・トゥワイ(フィジー代表)

HSBC協賛ワールドラグビー女子最優秀セブンズ選手賞 – ミカエラ・ブライド(ニュージーランド代表)

ミカエラ・ブライドは、ヘッドコーチのアラン・バンティングの指導の元、ニュージーランド代表として、2016年-2017年のシーズンに見事な活躍をしました。彼女の可能性はいつでも感じることができ、ポーシャ・ウッドマンがフォワードに移ったときには、ブライドは自分自身で始めるチャンスを得ました。ブライドは、今季最多の40のトライを獲得し、HSBC女子ワールドラグビーセブンズシリーズではドリームチーム、そしてシリーズのDHLインパクトプレイヤーへ導きました。

ノミネート: ギレーヌ・ランドリー(カナダ代表)、ルビー・トゥイ(ニュージーランド代表)

ワールドラグビーレフリー賞 - ジョイ・ネビル(アイルランド)

アイルランドで70のテストマッチに出場しているベテランのネビルは、2017年8月に開催された女子ラグビーワールドカップの決勝戦でもレフリーとして活躍しました。また10月にはラグビーヨーロッパカンファレンス2ノースでは、男子の国際試合を初めて担当しました。その月は、男子の3試合でアシスタントを務め、IRFUとはプロフェッショナルとして契約を交わしました。

キャラクター賞:エドゥアルド・オデリゴ

刑事専門の弁護士である、エドゥアルド “ココ”オデリゴは、ブエノスアイレスの裁判所で15年働いていました。その後、サンマルティン刑務所のユニット48でラグビーの精神を受刑者に伝え、教えていくプログラムを考えました。「Fundación Espartanos」は、オデリゴが受刑者の社会復帰を願って設立しました。2009年からは毎週トレーニングが組まれ、現在8年が経ちました。500人以上の受刑者がこのプログラムに参加し、このプログラムはアルゼンチン全土に広がり、現地のクラブやコーチにより支えられています。ラグビーの価値観を伝えることで、再犯を予防し、プログラムに参加していた元受刑者の再犯率は2%と劇的に改善されました。

功労賞:マルセル・マンタン(フランス)

マルセル・マンタンは、50年以上の間、フランスのラグビーの発展のために尽力しました。フランスラグビー連盟のボードメンバーを長年務め、またIRBの一員としてラグビーに貢献してきました。今年5月に83歳で他界しました。

IRPAトライ・オブ・ザ・イヤー ホアキン・トゥクレット(アルゼンチン代表;イングランド代表戦)

ファン投票で最多の14,000票以上を集め、アルゼンチン代表のホアキン・トゥクレットが6月のイングランド代表戦でフィニッシュしたトライが「IRPAトライ・オブ・ザ・イヤー」に選ばれました。マティアス・オランドの突破から、エミアーノ・ボフェリとつながり、サポートしたトゥクレットがゴールへ駆け抜けました。

ノミネート:ゲラ・アプラシッゼ(U20アイルランド代表;アイルランド代表戦)、ショーン・オブライエン(ニュージーランド代表;ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ戦)、ポーシャ・ウッドマン(女子ニュージーランド代表;アメリカ代表戦)

IRPA特別賞:リッチー・マコウ(ニュージーランド代表)、レイチェル・ブァーフォード(イングランド代表) 

リッチー・マコウはラグビーワールドカップに2大会ともにキャプテンとして出場し、ニュージーランドを優勝に導きました。またニュージーランド代表として148のテストマッチに出場し、世界で最もキャップ数の多い選手です。そのうち、110試合はキャプテンとしてチームを率いりました。ワールドラグビー年間最優秀選手賞を3回受賞し、36歳で素晴らしいリーダーとして活躍し、グラウンド外でも精力的に働きかけています。マコウは、13年間NZRPAのボードメンバーとして、選手のための環境づくり、ラグビー普及活動などにも取り組んできました。またマコウは、ニュージーランドラグビーファンデーションの後援者として、重傷を負った選手とその家族への支援なども行っています。iSportという、若い世代に対してスポーツを通じて輝かしい未来を築くための活動を行っているチャリティーの設立者および後援者でもあります。

レイチェル・ブァーフォードは、2014年にラグビーワールドカップでイングランドを優勝に導きました。31歳のブァーフォードは、3回の女子ワールドラグビーカップに出場し、アイルランドでの大会での決勝戦でも活躍しました。彼女は2014年に女性初のラグビー選手協会のボードメンバーに選ばれ、次世代を育てるべく、女性を対象としたラグビーアカデミーを運営し、ラグビーに貢献している。

ワールドラグビー・アウォーズ受賞者リスト

マスターカード協賛ワールドラグビー男子年間最優秀選手賞-ボーデン・バリット(ニュージーランド代表)
マスターカード協賛女子年間最優秀選手賞-ポーシャ・ウッドマン(ニュージーランド代表)
ワールドラグビー年間最優秀チーム賞 -ニュージーランド女子代表15人制
ワールドラグビー年間最優秀監督賞―エディ・ジョーンズ(イングランド代表)
チュードル協賛ワールドラグビー最優秀新人賞 -リーコ・イオアネ
HSBC協賛ワールドラグビー男子最優秀セブンズ選手賞 – ペリー・ベイカー(アメリカ代表)
HSBC協賛ワールドラグビー女子最優秀セブンズ選手賞 – ミカエラ・ブライド(ニュージーランド代表)
ワールドラグビーレフリー賞 - ジョイ・ネビル(アイルランド)
功労賞:マルセル・マンタン(フランス)
キャラクター賞:エドゥアルド・オデリゴ
IRPA特別賞:リッチー・マコウ(ニュージーランド代表)、レイチェル・ブァーフォード(イングランド代表) 
IRPAトライ・オブ・ザ・イヤー ホアキン・トゥクレット(アルゼンチン代表;イングランド代表戦)

ワールドラグビーの詳しい情報はこちらから。www.worldrugby.org/awards