RWCでのフランス

フランスは2007年大会のカーディフに時計の針を戻し、それから8年後のミレニアムパークでのRWC 2015準々決勝で、もう一度、ニュージーランドから衝撃の勝利を挙げることができるか?そういう論争が、ラグビーワールドカップ史上最多の顔合わせとなった一番を前に出ていました。

フランスにとって残念なことに、その答えは明らかにノーでした。圧倒的なプレーを見せるオールブラックスに対して、フランスはどこか単調なプール戦4試合を経ての進出を喜んでいるような状態で、13‐62の敗戦で大会を後にしました。

両者のワールドカップでの対戦はこれが7回目。1回目は1987年の第1回大会決勝での顔合わせでした。カーディフでの完敗とは異なるものの、フランスはイーデンパークでのこの対戦でも9‐29という結果に終わっています。

Sergo Blanco's memorable try in 1987 v Australia
Serge Blanco scored one of the most memorable tries in Rugby World Cup history for France at RWC 1987 against Australia.

その対戦まで、フランスは順調に歩みを進めていました。オーストラリアとの準決勝で見せた堂々たる勝利では、Serge Blanco選手が最後の最後に素晴らしいトライを決めたのですが、心身ともに力を出し切ったことで、タイトルがかかった一戦でオールブラックスに対抗することができませんでした。

いつも主役になれない引き立て役。それがフランスのラグビーワールドカップの冒険での役回りです。決勝進出3回を数えながら、一度もウェッブエリス杯を手にできずに終わっています。

フランスが次に決勝に進むのは1999年大会。1回目から12年間待たなければなりませんでした。

1991年大会の挑戦は、地元でイングランドに敗れるという不名誉な形で終焉を迎えます。プール4を首位で勝ち抜いたフランスは、準々決勝でイングランドと対戦する組み合わせになり、そこで宿敵を打ち負かすことができれば、準決勝でスコットランドか西サモアと対戦するという展開でした。

その試合はBlanco選手の代表試合93戦目で、そしてそれが彼の最後の代表戦となりました。荒れた展開となった試合で冷静さを失わなかったイングランドに対して、フランスは慌ててしまい、10‐19で海峡を挟んだライバルに敗れたのです。

1995年大会は、もう一人、フランスの偉大な選手に別れを告げる大会となりました。Philippe Sella選手が準決勝を最後に代表戦からの引退を表明したのです。

南アフリカ大会を前に、フランスは世界ラグビー界でも最も厳しい条件下でのテストマッチ3試合(1992年のアルゼンチン戦、1993年の南アフリカ戦、1994年のニュージーランド戦)に勝ってきていたので、Sella選手を理想の形で送り出すのは十分可能だと思われていました

ところが、彼らはスコットランドとのプール最終戦の最後の最後でEmile Ntamack選手が隅に飛び込んでトライを決めて次へ勝ち進むまで、活気を欠いたプレーを見せていました。

準々決勝でアイルランドを仕留めて、南アフリカとの準決勝へと進出しましたが、スプリングボクスはダーバンでのモンスーン気候に万全な備えで臨んで試合を展開。19‐15でフランスを下しました。

フランスは3位決定戦で勝利を収めて、次回大会出場権を確保。方式が改編された予選大会の回避には成功しました。

RWC Memory: France v New Zealand 1999
We look back to the 1999 Rugby WOrld Cup as France take on New Zealand in one of the classic encounters of RWC history

北半球に位置するフランスは、2003大会でも決勝進出を果たし、ウェッブエリス杯を掲げるまであと一歩に迫ります。しかし、それを実現させたのはフランスではなくイングランドでした。それまでフランスは大会中に素晴らしいラグビーを展開し、ディフェンスの新たな手法を披露してノックアウトステージに進出していました。

その姿勢は準々決勝のアイルランド戦でも見られ、後半早々まで37点のリードを奪う展開で相手に息をつく暇も与えず、フランスが43‐21で快勝します。

好天にも恵まれて来ていたフランスは、イングランドとの準決勝へ向けても、引き続きボールを生かすプレーができると期待されていましたが、試合前日になって突然天気が崩れます。雨がフランスのプレーを台無しにし、結果的にはJonny Wilkinson選手がキックでフランスを敗退に追いやりました。

2007年、フランスは素晴らしい大会を開催し、観客動員とテレビ視聴者数は記録になりました。とはいえ、ホスト国フランスの予測不能な不安定なパフォーマンスはこの大会でも散見されます。プール首位で突破することになるアルゼンチンに12‐17で敗れて、黒星スタートを切ったのです。

プールDを2位で通過したフランスは、優勝候補として前評判の高かったニュージーランドとカーディフで対戦。ホームの利を生かせないと言われたものの、これが幸いに転じます。開催国としてホームでの息詰まる環境から解き放たれて、チームはプレーレベルを数段アップ。Dave Ellisディフェンスコーチの指導とSerge Betsen選手主導の下で、史上名高い守備的パフォーマンスを披露し、オールブラックスに20‐18の勝利を挙げました。

しかし、これまで同様、フランスはそのレベルのパフォーマンスを続けることができず、準決勝でイングランドに2大会連続で黒星を喫します。そして、3位決定戦でアルゼンチンにも敗れました。

FLASHBACK: Re-live the Rugby World Cup 2011 final
We look back to 2011 and the Rugby World Cup final, and hear from some of the key players involved.

フランスは2011年大会プール最終戦でトンガに敗れた時、良くない展開になりそうに見えました。しかしフランスは徐々に建て直し、イングランドとの準々決勝では前半のうちにMaxime Medard 選手とVincent Clerc選手がトライを決めて、イングランドに借りを返します。

その後の2試合は、耐え難いほどにタイトで緊張が張りつめた試合になりました。準決勝ではMorgan Parra選手がPG 3本を決めて、一人退場になったウェールズを9‐8で下しました。しかし、ニュージーランドとの決勝では主将のThierry Dusautoir選手がトライを決める素晴らしいパフォーマンスを見せながらも7‐8で敗れて、勝者の側に回ることはできませんでした。

ニュージーランドとの僅差での負けで、フランスは大きなタイトルを逃したことにショックを受けてはいたものの、プライドと自信を取り戻していました。

それから4年が経ち、2015年大会ではフランスはイタリア、ルーマニア、カナダに淡々と勝利を挙げ、ミレニアムスタジアムでのアイルランド戦ではLouis Picamoles選手がテストマッチ出場50試合目をマークします。しかし、試合には9‐24で敗れました。Picamoles選手は、その6日後、再びカーディフで行われたニュージーランドとの準々決勝でもトライを決めます。しかし、彼が35分にラインを超えた時には試合はすでに決着がついており、フランスの大会も終わりになりました。

RECORD BREAKER

Frederic Michalak選手は2015年大会で33得点を挙げて、自身のワールドカップ通算得点を133として、フランスの大会史上最多得点者になりました。

ハーフバックのJean Marc Doussain選手は、2011年大会決勝のニュージーランド戦の残り5分で交代出場し、ワールドカップ決勝でテストマッチデビューをした最初の選手に。20歳253日でのワールドカップ決勝出場は大会史上3番目の若さです。

HIGH POINTS

シドニーのコンコード・オーバルはラグビーワールドカップの試合会場として最も愛された場所ではないかもしれないが、大会史上最も魅惑的な場面の一つが演じられた場所です。第1回大会準決勝でSerge Blanco選手が素晴らしい動きでトライを決めて、フランスを決勝進出に導きました。

ニュージーランドは、フランスのDave Ellisディフェンスコーチがオールブラックスの猛攻を想定して周到に用意したタックル網にはまり、2007年大会を後にしました。

LOW POINT

2011年大会でフランスはトンガに試合を支配されて14‐19で負けますが、僅差の負けは不幸中の幸いでした。負けはショックでしたが、フランスはノックアウトステージへなんとか進出しました。

こんなコメント

「僕らはニュージーランドの選手たちにキスできるほど近づいたけど、僕はみんなに落ち着くように言ったんだ」。フランスのThierry Dusautoir主将が2011年決勝で、ハカのパフォーマンス中に国際問題を起こしそうになったことを明らかにして。

驚きの数字

フランスはワールドカップ通算1500得点まであと13得点。これ以上得点しているのはオーストラリアとニュージーランドのみ。

ラグビーワールドカップ2019大会のプール組み合わせ抽選会は、2017年5月10日に日本の京都で行われます。

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