• 大会レガシーの全体像:ワールドラグビーは初めて、イングランドをはじめ、ワールドラグビー各加盟国のラグビーに革新的な影響をもたらした女子RWC2025に関する統一的見解をまとめた。
  • 実証された投資効果:大会がもたらした2億9470万ポンド(約4800億円)の経済効果は、女子ラグビーワールドカップの開催が政府や開催都市にとって高価値な投資であり、持続的な経済的・社会的利益を生み出すことを示す。
  • 記録を超えた成果真の社会変革。イングランド2025は観客動員数と視聴率の記録を塗り替えただけでなく、女子ラグビーへの認識を積極的に変革し、ジェンダー平等を強化した大会であった。また、女性・少女たちの真の居場所となるスポーツとしてラグビーの存在感を示した。
  • 前例のない認知度拡大が女子ラグビーの商業的魅力を高めた:RWC 2025のスポンサー収入は330%増加、パートナー企業に2億100万ポンドのメディア価値をもたらした。主要パートナー企業5社のうち4社が大会後も女子ラグビーへの支援を継続することを表明している。
  • 将来に向けた強固なグローバル・エコシステムの構築:「インパクト・ビヨンド2025」は、各協会内の能力と専門性の強化、キャリア機会の創出とリーダーシップ育成の道筋の整備、女性・少女たちの自信・可視性・プレー機会の拡大を通じて、すでに世界中のラグビーの長期的な未来を形成している。

両報告書は、史上最も成功した女子ラグビーワールドカップが、触媒かつプラットフォームとして、大会の勢いを前代未聞のレベルまで押し上げ、地域社会にも明確な利益をもたらすと同時に、目標を定めた測定可能な開発プログラムを世界中で推進したという実態を明らかにしています。記録的な観客動員数と経済効果から、世界中の女性や少女たちへの変革的な参加機会とリーダーシップ育成の道筋まで、イングランド2025大会はラグビー界にとって決定的な瞬間となりました。

開催国での圧倒的成功:記録的な観客動員、経済効果、社会的意義

開催8都市(ブライトン、ブリストル、エクセター、ロンドン、マンチェスター、ノーサンプトン、サンダーランド、ヨーク)で行われた女子ラグビーワールドカップ2025は、あらゆる成功指標において卓越した成果を達成しました。

総計444,465枚のチケットを販売し、史上最多の観客動員数を記録。前回大会の3倍となる動員数を達成し、大会全体のチケット販売率は92%に達しました。トゥイッケナムのアリアンツ・スタジアムで開催された決勝戦には81,885人の観客が詰めかけ、女子ラグビー試合の観客動員数として世界新記録を樹立しました。さらに男子・女子大会を通じて歴代2位のラグビーワールドカップ決勝戦観客動員数を記録しました。この全国的な観客動員急増は、イングランド各地のコミュニティに大会を浸透させる意図的な取り組みによって促進されました。開催都市では地域密着型イベント、特化型ファンエンゲージメントプログラム、地域別メディア報道が実施され、従来のラグビー人気地域をはるかに超えた熱狂とファン動員を喚起しました。

RWC 2025 record-breaking numbers - infographic

この驚異的なレベルのエンゲージメントは、開催都市に2億9470万ポンドの直接的経済効果をもたらし、歴史的な観客関心だけでなく、主要試合と地域活動を全国に分散させる大胆な戦略の成果を反映しています。総経済効果の80%以上がロンドン以外で創出され、大会が、全国的な地域経済に顕著かつ具体的な利益をもたらしていたことがわかります。訪問者支出の増加、ホスピタリティ産業の活性化に加え、観光地の認知度向上(メディア価値5400万ポンド相当)や市民の誇り向上などです。女子ラグビーワールドカップ2025は、世界最高峰のスポーツをより多くの人々に届けることで、より多くの地域がその成功を共有できることを証明しました。

これらの成果は、ファンと選手の満足度の高さとも連動しています。大会のネットプロモータースコアは、他の多くの主要国際スポーツイベントを上回る+84を記録し、ワールドクラスの体験がサポーターに提供されたことを強調しています。選手たちからも同様の感想が示され、82%が大会全体の体験を「良い」または「素晴らしい」と評価しています。競技環境、プレーヤーウェルフェアの整備など、大会運営におけるあらゆる面で高水準であったことを反映しています。

イングランド2025は、このような数値だけでなく、大きな社会的意義を示しました。「Where We Belong(わたしたちの居場所)」キャンペーンは、ボディコンフィデンス、包摂性というメッセージを発信するとともに、女性や少女がラグビーを自分の居場所にするだけでなく、フィールドで、サイドラインで、またリーダーとして、ラグビーのあらゆる部分で大きく活躍できるという理念を力強く広めました。

本大会は、観客の96%が「感動的」と評価し、観客にも強い印象を残しています。RWC2025まで女子ラグビーを観戦したことがなかった44%のファンのうち、94%が「今後も女子ラグビーを観戦する」と回答しました。

社会的影響も甚大でした。13~25歳の女性の75%が大会体験後に、「活動的な生活をしたいという意欲が高まった」と回答。数千人のボランティア(初参加者が多数)も温かくアクセシブルな大会運営を支えました。これらの成果は、この大会が記録を塗り替えただけでなく、女子ラグビーの認知度、代表性、文化的意義を再定義し、さまざまな障壁を打ち破ったことを物語っています。

華やかな舞台の裏側:前例のない広がり、拡大する観客層、そして新たな世代のファン層

女子ラグビーワールドカップ2025は、女子ラグビー史上かつてない規模で共感を呼びました。大会運営体制の強化や主要国での無料放送、選手たちのストーリーや個性を紹介する革新的なデジタル戦略などにより、新たな視聴者を国際的に獲得。世界における大会の放送視聴時間は1億4700万時間に達し(2021年大会比336%増)、女子ラグビーへの世界的な関心の高まりと、大会が身近に楽しめる放送アプローチが有効であったことを示しました。

放送の成功は、卓越したデジタル効果によってさらに増幅されました。女子ラグビーワールドカップ2025は10憶を超えるソーシャルメディアインプレッションを生み出し、選手たちを世界的スターへと押し上げるとともに、新たに大きな女子ラグビーの潜在視聴者層を創出しました。ショートコンテンツやSnapchat、そしてTikTokとのプラットフォーム提携やクリエイターとのコラボレーション、選手主導のストーリーテリングは、ラグビーの若年層への浸透拡大、記録的なエンゲージメントの促進、また新たな市場やコミュニティへの進出において極めて重要な役割を果たしました。これらの成果は、イングランド2025がスタジアムに足を運んだファンを熱狂させただけでなく、何百万人もの世界中の人々の想像力を掻き立て、ラグビー界における画期的な瞬間としての地位を確固たるものにしていたことを強調しています。

女子ラグビーワールドカップ2025はスポーツ面・社会面での成果に加え、卓越した商業的価値も生み出し、主要グローバルブランドに対する大会の魅力増大を裏付けました。大会期間中に、これまでにない規模の放送範囲やデジタル可視性、そしてオンサイトエンゲージメントなどを反映し、ラグビーワールドカップ商業パートナー向けに2億100万ポンドのメディア価値を創出しました。

この商業的勢いでスポンサー収入は前回大会比330%増を記録。女子ラグビーへの投資意欲を持ち、理念を共有し、ファンを中心に添える多様なブランドを惹きつけました。没入型ファン体験からインパクトの高いデジタルキャンペーンまで、各社のアクティベーションは大会の雰囲気を高めただけでなく、パートナー企業や開催都市にとって、女子ラグビーワールドカップが魅力的な投資先であることを再確認させました。

女子ラグビーワールドカップ2025インパクトレポートはこちらでご覧ください >>

世界的な影響力:インパクト・ビヨンド2025がもたらす世界的な進展

ワールドラグビーのインパクト・ビヨンド2025プログラムは、開催国に残した大会レガシーと同様、大会の影響力を確実にイングランドをはるかに超えさせました。複数年にわたるグローバル戦略として設計された本プログラムは、世界中のラグビー協会や地域団体と連携し、参加促進やリーダーシップ育成、コーチング、審判活動、メンタルヘルス、デジタル成長、そして女性の健康といった分野にまたがる実践的で拡張可能な取り組みを実施しました。

この取り組みの中核をなしたのは、女性・少女たちへの機会の提供を劇的に拡大したことです。ラオス、ナイジェリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クック諸島といったラグビー新興国を含む42の協会で実施されたRugby Rising Play助成金を通じて、35,500人以上の10代の少女がラグビーを始めました。

インパクト・ビヨンドは能力開発にも重点的に投資し、56カ国から100人以上の女性がキャリアプログラムに参加。ラグビー界における女性たちの自信や専門的ネットワーク、キャリアパスの認識が大幅に高まったと報告されています。ギャラガー・ハイパフォーマンス・アカデミーは47人の女性コーチを支援し、大会における女性コーチ比率が2021年の15%から過去最高の32%に達する一助となりました。

本大会では、プレーヤーウェルフェアと安全対策においても前例のない形で前進。ラグビーワールドカップ史上最も包括的なメンタルヘルス支援を実施し、37名の元代表選手からなる先駆的なネットワークが、チームやマッチオフィシャル陣に秘密厳守のピアサポートを提供しました。デジタル領域では、ワールドラグビーの ソーシャルメディア保護サービスが44万件以上の潜在的誹謗中傷投稿を分析し、1,189件の投稿やコメントをプラットフォーム運営者と当局に通報。選手、マッチオフィシャル、そしてその家族たちにとってより安全な環境を創出し、女子ラグビーにおけるアスリート保護の新たな基準を確立しました。

協会レベルでは、「インパクト・ビヨンド 2025」が長期的な成長基盤を強化。アフリカ、アジア、ヨーロッパで開催された地域サミットには50以上の協会が、そして90以上の協会がワールドラグビー初の資金調達トレーニングプログラムに参加し、競技発展に向け資金源を新たに開拓することに成功しました。一方、1,000人以上の女性リーダーがチャイルドファンド主催の「ラグビー 草の根からグローバルへ」シリーズに参加し、コミュニティにおける女性の参加とリーダーシップ拡大に向けた行動計画を策定しました。

これらの「インパクト・ビヨンド2025」成果を総合すると、より強固で連携した女子ラグビーのエコシステムが、世界的な女子スポーツ需要の高まりを活かす基盤を各国協会に提供していることが明らかになりました。

 インパクト・ビヨンド2025グローバルインパクトレポートはこちらでご覧ください>>

統一したレガシー:競技を変えた大会

ワールドラグビーは、この2つの報告書を同時に公表することで、ひとつの一貫したメッセージを強調しました。女子ラグビーワールドカップ2025は象徴的なイベントであると同時に、世界的な発展の原動力であったということです。

開催国、また世界に残されたレガシーは互いにシナジーを生みました。注目を集め、記録を塗り替えたこの大会がこのスポーツの認知度と商業的価値を高める一方で、開発プログラムは、その認知度が必ず世界中の参加率やキャリアパス、そして能力の真の成長につなげます。

ワールドラグビーはこのモデルを土台に、オーストラリア開催の男子ラグビーワールドカップ2027と女子ラグビーワールドカップ2029、そしてアメリカ開催の男子RWC2031と女子RWC2033という、次のラグビーワールドカップ大会をさらに発展させていきます。

女子ラグビーは、観客動員数や参加者数、商業的関心、また文化的影響力の面で急成長を遂げており、ワールドラグビーはこの機運を確固たる運動へと発展させようと決意しています。女子ラグビーは、WXVグローバルシリーズといった大会への戦略的投資やキャリアパスの強化、2025年の成功で活気づいたグローバルコミュニティを通じ、新たな時代を迎えようとしています。これら2つの報告書にまとめられた教訓と遺産は、女子ラグビーワールドカップ2029およびその先を見据えた競技の発展を導く指針となります。

ワールドラグビー会長、ブレット・ロビンソンは次のように述べました。「女子ラグビーワールドカップ2025は、わたしたちのスポーツの素晴らしい祝典となりました。インパクトレポートは、選手やファン、コミュニティ、そしてイングランド全土に広がる開催都市、そして世界的なラグビーエコシステムにとって、いかに変革的な大会であったかを示しています。経済的・社会的影響は言うまでもありませんが、私が最も誇りに思うのは、この大会が女子ラグビーへの認識を変えたことです。新たな観客層を惹きつけ、卓越性における新たな基準を打ち立て、女子ラグビーへの大きな投資がもたらし得る成果を証明しました。これは決定的な瞬間であり、そのレガシーは今後何世代にわたって、ラグビーの将来を形成していくでしょう。」

ワールドラグビーの女子ラグビー部長、サリー・ホロックスは次のように述べました。「私たちのインパクト・ビヨンド2025プログラムは、世界的なレガシープログラムがもつ真の力を示しました。134の協会と6つの地域協会と連携し、参加率やリーダーシップ、そしてキャリアパスやプレーヤーウェルフェアにおいて具体的な進展があったことがわかりました。初めてラグビーボールを手に取る10代の少女から、指導者やリーダーとしての役割を担う女性まで、このプログラムは世界中で多くの人々の人生を変え、スポーツの基盤を強化しました。RWC 2025が生み出した勢いは始まりに過ぎず、パートナーの皆さまと共に女子ラグビーの、より強く持続可能かつ包摂的な未来を築いています。」

女子RWC 2025独立会長、ギル・ホワイトヘッド氏は次のように述べました。「女子ラグビーワールドカップ2025は、野心と実質的な投資そして真の協力が結びついた時に何が達成できるかを示しました。ワールドラグビー、RFU、UKスポーツ、そして数多くのパートナーと共に、私たちは新たな観客層を呼び込み、テレビ視聴時間1億4700万時間(前回大会比4倍以上の成長)、ソーシャルメディアインプレッション10億回以上を達成しました。」

「イングランド全土のコミュニティに広がり、2億9400万ポンドに上る経済効果の80%以上がロンドン以外の開催都市にもたらされました。このインパクトレポートが示す通り、RWC 2025は完全なるゲームチェンジャーとなりました。パートナー企業各社、大会運営委員会、サラ・マッシー氏とそのリーダーシップチーム、信念と献身をもって取り組んだ全ての同僚、そして選手とファンの皆様に感謝します。皆様の協力により、女子ラグビーは永遠に変わることを確かなものにしたのです。」

ステファニー・ピーコック英国政府スポーツ大臣は次のようにコメントしました。「私たちは、女子ラグビーワールドカップ2025を史上最大規模の大会にすることを目指し、国家としてそれを実現しました。この大会がイングランド全土のコミュニティに与えた歴史的な影響、そして今後も長期にわたり持続するであろうその影響を目の当たりにできたのは素晴らしいことです。」

歴史的な観客動員数と視聴率から、女子ラグビーが秘める大きな商業的可能性の再確認まで、このラグビーワールドカップは女子ラグビーの認識を根本から変え、世代を超えた永続的なレガシーを残すでしょう。
 
政府として大会を支援できたことを誇りに思うと同時に、女子・少女チームのための草の根施設への資金提供や、女子スポーツの主要大会のさらなる誘致など、今後も女子スポーツの推進を続けてまいります。」