ワールドラグビー執行委員会は、世界中のトップレベルの男子および女子ラグビーを対象とする新たな選手負荷ガイドラインを承認しました。この新ガイドラインは、世界各国の選手、協会、地域、競技会を代表する専門家からなるプロジェクトグループによりワールドラグビーに提言されたものです。

本ガイドラインは科学的根拠に基づいており、既存研究が存在しない場合には専門家の見解を反映してまとめられました。あらゆる状況下における選手の負荷管理に対し、既存のプレーヤーウェルフェア方針に沿った予防的アプローチを採用。負荷管理に関する合意が未整備な地域における最終的な安全策として機能します。

本新ガイドラインでは、選手に対して以下のことをすべきだと述べています:

  • 1シーズンまたは6週連続の試合期間において、30試合を超えてプレーしないこと
  • 休暇に専念できる5週間のオフシーズンを過ごすこと
  • 国代表チーム選出された場合、最低1週間の休息期間を保証されること
  • 年間を通じ、12週間のノンコンタクト期間を確保すること

プレーヤーウェルフェア(選手の身の安全・福祉)はラグビーのあらゆる活動の核心事項であり、ワールドラグビーはこれらの新たなガイドラインへの合意を、2026年夏に開始する新ネーションズチャンピオンシップの承認条件に定めました。

ワールドラグビー会長ブレット・ロビンソン博士は次のように付け加えました。「これらのガイドラインは長年にわたり激しく交わした協議の成果です。合意達成に関わった全ての方々に祝意を表します。 ワールドラグビーの全方針と同様、本ガイドラインは最新の科学知見と専門家の見解に基づいて策定されています。」

「将来的には、各協会や大会運営者が地域の事情に即した合意を形成し、個々の選手の状況に応じた最適な対応が取れることを期待しています。当面の間、本ガイドラインが確固たる基盤を提供します。ラグビーの発展に伴い、選手たちは、クラブや協会、そして競技の頂点であるワールドラグビーから十分な支援が受けられると確信できるでしょう。」

国際ラグビー選手会(IRPA)ラグビー運営責任者、コンラッド・スミス氏は次のように述べました。

「今日に至るまでには長い道のりがありました。これらのガイドラインは、我々のスポーツが直面している商業的現実と、エリートレベルのパフォーマンスや選手の健康とのバランスを取る必要があったため、激しい議論を経て策定されました。ラグビーにとって大きな前進であり、選手だけでなく我々のスポーツの未来にも貢献すると確信しています。」

ガイドラインの全容はこちらでご覧いただけます。

選手負荷プロジェクトグループのメンバーは以下の通りです::

  • ジュリアン・ピスコーン(FFR) - 議長
  • コンラッド・スミス、シャロン・フラハイブ、レイチェル・バーフォード、ダニエル・サーモン(IRPA)
  • ロス・タッカー、スティーブ・メラリュー、デス・ライアン(独立)
  • ジュリー・パターソン(シックスネーションズ)
  • マット・クロス (プレミアシップ・ラグビー)
  • シルヴァン・ブランチャード(LNR)
  • レスリー・マッケンジー、ニック・ギル、アンディ・エドワーズ、フアン・フェルナンデス・ロッベ、ケビン・ルーエ(協会所属コーチ/ハイパフォーマンスマネージャー)
  • ヨハン・ヴァン・グラーン、スチュワート・ランカスター(クラブ所属コーチ)
  • マーク・ハリントン、エーナ・ファルビー、リンゼ―・スターリング、ケビン・バウアー(ワールドラグビー)