勝利が決まるとグラウンドに祈るように膝をついて顔を伏せたラトゥ選手だが、すぐにチームメイトにもみくちゃにされる手洗い祝福を受けた。

「大きなことを達成できて、誇らしく思う」と元トンガ代表は感慨深げだ。

 今年2月に39歳になったFWは、2007年から2014年までNECで92試合に出場して43トライをマークし、キャプテンも務めた。その後、イングランドのニューカッスルで18年までプレーし、再び日本で日野に加入した。

 試合後には両チームの選手スタッフが集まって記念写真に納まり、チームメイトからハカの祝福を受け、花束とともに「フィットネスを保つ秘訣」と話す好物のフライドチキンも贈られたという。

「昨年引退を考えていたが、そこで箕内が『やってくれ』と言ってくれた。彼がいなければ100キャップはなかった」と、かつてNECで共にフィールドに立った同僚に感謝を示した。

2007年と2015年のラグビーワールドカップにも出場して54キャップを保持するラトゥ選手は、2006年のトンガ代表デビューも福岡での日本とのテストマッチで日本との縁は深く、両チーム通じてトップリーグで通算11シーズンを経験。変わらず、タフに戦い続け、この日もフル出場を遂げた。それだけに、日本のリーグの変化も感じている。

「今大会、レベルの高さを感じている。長年かけてこれだけのレベルアップを嬉しく思う」と話す。

この日の試合は再び大雨の中での難しいコンディションとなったが、今季未勝利の両チームは一歩も譲らずFW戦を展開。0-0で折り返した後半8分、日野がモールで押し込んで圧力をかけ、素早くボールを出してFLリアキ・モリ選手がトライを決め、SOクリップスヘイデンが2点を加えてリードを奪った。

 しかし、NECは残り5分でゴール前のトライチャンスで日野に故意の反則があったとしてペナルティトライを獲得して同点に追いつき、日野はWTBチャンス・ペニー選手がイエローカードを受けて14人の劣勢に追い込まれた。

だが、日野は残り2分、自陣での相手ラインアウトでボールを奪って攻撃に転じると、相手陣内22メートル付近での攻防で、80分を告げるホーンが鳴った直後にペナルティを獲得。強風の中、これを試合終了直前に交代出場したFB田邊秀樹選手が成功させて勝利をもぎ取った。

日野FL堀江恭佑選手は最後のPGを「80分通してプレッシャーをかけ続けた結果」と話し、初白星を得た箕内ヘッドコーチは「去年から厳しい期間を乗り越えてチームとしてここまで来ることができた。ここまでのプロセスがしっかりできたからだと思う。これを継続してやっていきたい」と語った。

ニュージーランド代表経験もある日野のSHオーガスティン・プル選手も、「ニリが100キャップを得たと特別な試合で、チームとして高いモチベーションで臨めたので、最後にああいう形で勝って終えることができたと思う」と喜んだ。

 この勝利で日野はホワイトカンファレンス最下位から1つ順位を上げた。次週カンファレンス3位のNTTドコモレッドハリケーンズ戦へ、弾みとなるか。

サントリーが9トライで東芝に圧勝

やはり先週の雷雨荒天で3月20日(土)に一週間延期された東芝ブレイブルーパスとサントリーサンゴリアスの対戦は、サントリーが9トライを奪って73-5と圧勝。NO8テビタ・タタフ選手がハットトリック、SOボーデン・バレット選手もキックで24得点をもたらし、チームはレッドカンファレンス首位に再浮上した。

過去、何度も好ゲームを展開していた府中をベースとする両チームの対戦だったが、今回は違った。今季2勝目を目指した東芝が、サントリーのプレッシャーに押されてペナルティを連発。サントリーのバレット選手に3点を重ねる機会を与えてしまい、一方的な流れになった。

 サントリーは17分のWTB中野将伍選手のトライを皮切りに、24分のCTBサム・ケレビ選手がラインを超え、東芝が28分にWTBジョネ・ナイカブラ選手のイエローカードで一人少なくなると、直後にはタタフ選手がゴール前のラックから5点を決め、その8分後にもNO8はゴール前でリーチのブロックをはねのけて、2本連続トライをマーク。バレット選手は要所でキックを使って相手の攻めをかわしながらプレースキックで加点し、サントリーが38-0で前半を折り返した。

 後半も流れは変わらず、ケレビ選手がこの日2本目のトライを決め、53分にはタタフ選手がハットトリックを達成するなど、後半半ばまでにサントリーが59-0とリードを広げた。

 東芝のプレーに変化が生まれたのは60分過ぎから。途中出場したSH高橋昂平選手がラックからテンポよくボールを裁いて攻撃にリズムが出ると、65分にはラインアウトからモールで押してボールを出す。最後はパスを受けたFLマット・トッド選手がインゴールで押さえて、ようやく5点を返した。しかし、流れを戻すには至らず、サントリーが2本のトライを追加し、ボーナスポイントを得て勝点5を手にした。

 「結果に満足している」というミルトン・ヘイグヘッドコーチは、{質の高いラグビーをする東芝に、これほどの大差をつけて勝利したのはクラブ史上でも初めてかと思う。再試合になってメンタルでしっかりと準備して試合に臨めたことが良い結果につながったと思うし、相手にプレッシャーをかけて良いディフェンスができたと思う}とコメントした。

試合終盤に自身もトライを決めた主将のCTB中村亮土選手は「これからタフな試合が続くが、今日の結果で勢いに乗れる」と話した。

 来週は勝点1差で3位につけているトヨタ自動車ヴェルブリッツとアウェイで対戦するが、試合終盤に自身もトライを決めた主将のCTB中村亮土選手は「これからタフな試合が続くが、今日の結果で勢いに乗れる」と話した。

Photo credit: JRFU/Japan Top League