昨年秋に日本で開催されたラグビーワールドカップ2019で、日本代表はジェイミー・ジョセフヘッドコーチの下、アイルランドやsyコットランドなどから勝利を挙げ、4戦全勝でプールステージを突破し、日本念願のワールドカップ8強入りを達成した。
準々決勝で、最終的に優勝した南アフリカに敗れたものの、日本代表の快進撃は国内にラグビーブームを巻き起こし、日本代表チームが大会のスローガンにしていたワンチーム(ONE TEAM)は同年の流行語大賞を獲得。その後、年明けから行われたジャパントップリーグでかつてない観客動員の伸びを見せるなど、フィールド内外で日本ラグビー界を大きくけん引する原動力となった。
日本ラグビー協会のコーチングアワード選考委員会は、「日本代表を史上初のベスト8に導き、日本中に感動を与え、社会的にも大きな影響を与えた」として、ニュージーランド出身の日本代表指揮官を特別大賞に選出したと説明した。
ジョセフ日本代表ヘッドコーチは日本協会を通じて、「このような素晴らしい承をいただき、大変光栄。受賞は私だけでなく、支えてくれたスタッフ、選手、そして何より、応援してくださった多くの皆様のおかげだと思います」とコメント。
さらに。新型コロナウィルス感染拡大の影響で日本政府の緊急事態宣言が続き、ラグビーのみならずスポーツでも活動制限が続く状況について、「みんなで乗り越え、また皆さんとともに戦える日が来ることを楽しみにしています」と述べた。
最優秀賞には、早稲田大学を11年ぶりの全国大学選手権優勝に導いた相良南海夫監督が選ばれた。
早稲田大学は、昨年12月の全勝で迎えた関東大学対抗戦最終戦で、同じく全勝で臨んでいた明治大学に7-36で敗れて対抗戦優勝を逃したが、その後開催された全国大学選手権では6年ぶりに決勝に進出。再び明治大学と対戦して45-35で勝利を収めて雪辱を果たし、11年ぶりに全国大学の頂点に立った。
相良監督は、コーチ陣やチームスタッフら大学関係者が「同じ目標に向かってベクトルを合わせ、それぞれの持ち場立場で力と知恵を出し合った結果。何より、日々努力を重ね、最後まで諦めずに戦い続けた学生たちには感謝しかありません」と喜びを語った。
流通経済大学女子ラグビー部を全国女子選手権優勝に導いた井上愛美ヘッドコーチと、高校3冠(全国高校選抜大会、全国高校7人制大会、全国高校大会)を達成した桐蔭学園高校の藤原秀之監督の2人は優秀賞に選ばれた。
昨年夏のユニバーシアードでは男女が揃って金メダルを獲得したが、その男子7人制代表を率いた鈴木貴士ヘッドコーチと、女子7人制代表の稲田仁ヘッドコーチが特別賞に選出された。
また、ワールドラグビーU20トロフィー2019で優勝して、ワールドラグビーU20チャンピオンシップへの昇格を果たした水間良武U20日本代表ヘッドコーチと、アウェイで女子スコットランド代表に24-20で勝利した女子15人制日本代表のレスリー・マッケンジーヘッドコーチも、日本代表カテゴリーコーチ賞(サクラコーチングアワード)を受賞した。
このほかにも、フロンティア賞や変革賞などが設けられており、計14名が表彰された。
ジャパンラグビーコーチングアワードは、指導者の資質向上と学習意欲の高い指導者コミュニティの創出を目指して2017年度から実施。日本協会技術委員会内に設置された4名編成の選考委員会が、「選手個々の資質を開花させ、最大限のパフォーマンスを発揮することで、チームの勝利に貢献した指導者」、「独自のコーチング哲学を掲げ、体現し、結果とともに他の指導者への影響度が高い指導者」の選考基準をもとに各省受賞者を選出した。
2019年度ジャパンラグビーコーチングアワード受賞者
特別大賞 ジェイミー・ジョセフ(男子15人制日本代表ヘッドコーチ)
最優秀賞 相良南海夫(早稲田大学監督監督)
優秀賞 藤原秀之(桐蔭学園高等学校監督)
同上 井上愛美(流通経済大学女子ラグビー部ヘッドコーチ)
特別賞 鈴木貴士(ユニバーシアード男子7人制代表ヘッドコーチ)
同上 稲田 仁(ユニバーシアード女子7人制代表ヘッドコーチ)
変革賞 牟田 至(関西学院大学前監督)
フロンティア賞
伊達圭太(徳島城東高等学校監督)
三宅邦隆(浦和高等学校監督)
桑原 立(U17東海ブロック代表監督)
スキルコーチング賞
佐藤義信(全国ジュニア群馬県スクール代表監督)
衛藤伸仁(全国ジュニア大分県代表監督)
日本代表カテゴリーコーチ賞
水間良武(U20日本代表ヘッドコーチ)
レスリー・マッケンジー(女子15人制日本代表ヘッドコーチ)