サンウルブズは毎週土曜日の午後、世界5か国に散らばるチームの選手やコーチ陣がインターネットでつながり、ファンとともに同時トレーニングを開催するエナジー・チャレンジを実施しているが、ラグビー選手をはじめとするアスリートへ向けて、新たなトレーニングプログラムを公式サイトで公開している。

プログラムの内容はビギナーからトップレベルまで3段階で用意されており、新型コロナウィルス感染拡大防止策として外出制限が続いて十分なトレーニングできない環境で、アスリートにはパフォーマンス維持に、一般のファンやビギナーには健康維持に、それぞれ役立ててもらおうという試みだ。

 世界で流行している感染症が収束して、プレーを楽しめる状況になった時のためにプログラムを考えたという太田S&Cコーチは、「レベルを上げることでよりハードにもできる。家にあるものを使って自分なりのメニューを加えて、オリジナルプログラムで楽しむというチャレンジもしてほしい。大事なのは、ピンチの時にチャレンジしてチャンスに変えること」と話し、制限のある中で続ける秘訣について触れている。

 

定着しつつある世界同時トレ

一方、エナジー・チャレンジは5月2日に4回目が行われ、定着してきている。第3回のSH田中史朗選手(キヤノン)とPR具智元選手(ホンダ)の日本代表の2人に続き、今回は元日本代表のPR浅原拓真選手(日野)がゲスト参加。8種類の筋トレメニューに汗を流した。

新型コロナウィルス感染拡大を受けて、サンウルブズが戦うスーパーラグビーは3月中旬から中断。ジャパントップリーグも2月末から中断し、その後シーズンは打ち切りが決定。4月に入ってからは政府が緊急事態宣言を発出し、外出自粛期間も長期化してきている。

従来のように思うようなトレーニングができない影響からか、32歳の浅原選手は「これ、きつくないですか?!」と苦笑い。タイムトライアルでは同じPRでジョージア代表のジャバ・ブレクバゼ選手のタイムを気にするなど、ライバル心も覗かせていた。

トレーニングの模様はサンウルブズのフェイスブックのほか、第3回からはテレビJSPORTSでも生放送でカバーされ、サンウルブズの太田千尋S&Cコーチがそれぞれのトレーニングメニューのコツや目的などをわかりやすく説明。一般のファンが取り組みやすくなる工夫も加えられている。

選手が近況を伝える場面もあり、ジョージアから参加のブレクバゼ選手はファンへ向けて、「この期間は家族と過ごすのにいい時間となる。家族や子供たちと一緒にたくさんの時間を過ごしてほしい」と語りかけた。

 浅原選手も「自粛が長くなっているが、ずっと続くわけじゃない。家で家族と楽しいことをして、ポジティブにいきましょう!」と呼びかけた。

 先週のこの世界同時トレに参加した田中史朗選手も、「暗い雰囲気だが楽しいことを見つけて、日本を明るくしていきたい」と話し、前向きな姿勢でいることが大切だという考えを示していた。

 なお、2日の合同トレで実施された8種類のメニューを3回繰り返すタイムトライアルでは、CTBシオサイア・フィフィタ選手が9分32秒で1位に。8秒差で2位に入ったのはFLジャスティン・ダウニー選手、3位はCTBジョーダン・ジャクソン=ホープ選手で9分46秒。ダウニー選手とジャクソン=ホープ選手は、タイムトライアルで2週続けてのトップ3入りとなった。また、ゲスト参加の浅原選手は12分25秒で、浅原選手が気にしていたブレクバゼ選手は10秒13秒で5位だった。

次回は5月9日(土)の日本時間15時から行われ、ラグビーの動きを取り入れたフィジカルトレーニングをチームに分かれて競う予定だという。

 

中島選手、南選手ら家トレを紹介

 各カテゴリーの日本代表の選手たちも、SNSで次々と自宅トレーニングの様子を公開している。

昨年のラグビーワールドカップでも活躍したPR中島イシレリ選手(神戸製鋼)は、子どもを肩に乗せてのスクワットや足に乗せてのレッグアップ、背中に乗せてのプッシュアップなど、「おうちトレーニングシリーズ」は3回を数える。子どもと触れ合いを楽しみながら体を動かしており、子どもたちの笑顔が印象的だ。

また、サクラフィフティーンこと女子15人制日本代表のPR南早紀選手は、自身のSNSでは家の庭で愛犬を背中に乗せたエアーウォークを披露しているが、所属の横河武蔵野アルテミスターズの選手らと自分たちで考案したという家トレメニューをチームのSNSで公開している。

セブンズで活躍の長田いろは選手(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA)は自宅でのハードな筋トレの様子を、福島わさな選手(東京山九フェニックス)はボールハンドリングやリフティングなどをSNSで紹介している。

それぞれが競技再開の時を待ちながら、健康と体力を維持しながら、この苦境を乗り切ろうという思いが見える。