昨秋のラグビーワールドカップで火が付いた日本のラグビー人気で、年明けから始まった今シーズンのジャパントップリーグも多くの観客に恵まれる盛り上がりを見せていた。

だが、その最中に新型コロナウィルス感染症が日本にも及ぶところとなり、リーグ戦は6節を終えて2月末から中断。再開を目指していたが、感染拡大を受けてそのまま中止が決まり、5月下旬に予定されていた日本選手権も中止となり、リーチ選手をはじめ選手たちは、フィールドに戻らないまま、今季終了を迎えた。

 「ワールドカップが終わって日本ラグビー界がすごく盛り上がっている中で(リーグ戦を)プレーできなくて、選手だけでなくファンの方々もたくさん残念がっていると思う」とリーチ選手はファンの気持ちを思いやる。

 東芝はリーグ開幕戦で昨季の覇者サントリーサンゴリアスに勝利を収める好スタートを切り、6節には4勝2敗の7位で上位を伺っていたが、全15節中6節のみの消化でリーグは不成立となった。

 「今年はチームもすごく調子が良くて、優勝に向かって準備できていたので、中止はすごく残念。でも、命が一番大事なので、感染拡大しないように、正しい判断をしたと思う」と受け止めている。そして、「今は我慢して、来季へ向けて、さらにいい準備ができると思う」と話す。

新たなトレーニングに挑戦

新型コロナウィルスは現在も世界中で猛威を振るっており、日本代表の夏のテストマッチの開催についても先行きが見えない状況が続いている。外出自粛が求められ、チーム練習はできず、選手は各自が自宅で練習を行っている。制約も多いだけに、選手にとっては難しい状況に違いないのだが、リーチ選手はポジティブに向き合っている。

日本代表のS&Cコーチから渡された自主トレのメニューをこなし、新たに買い求めたダンベルで筋トレに励む。そして、自ら新たに始めて「今、はまっている」というが縄跳び。「手と足が連動しなくてはいけないので結構難しい」と言うが、上達すれば身体能力アップにつながると期待している。

そして、家族と過ごす時間が増えたことで、子供の勉強を見たり、工作などをして一緒に遊び、買い溜めていた書籍を手に取って読書を楽しんでいるという。

「いままで時間がなくてできなかったことをやっていて、すごく充実している」とリーチ選手は話す。

 ジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチとも連絡を取り合っている。最近も、今年予定されている代表戦や、互いの出身国ニュージーランドの状況などについて、電話で話をしたと明かした。また、代表チームのリーダーグループの選手たちとは、オンラインでミーティングをする予定だという。

 日本代表がトップレベルを維持するために「(選手の)層を厚くしないといけない」と指摘し、「優秀な若手にいかに良い経験をさせることができるか」という考えを示した。

 リーチ選手は、チーム練習をできない状況にある子供や学生たちに、家でのトレーニングやインターネットを活用して過去の試合や往年の選手のプレーを見ることを勧め、「次のシーズンに向けて準備する。この時間をうまく使ってやっていくことが一番大事」とメッセージを送った。

今こそONE TEAMに

 新型コロナウィルスの感染拡大防止と収束へ向けて、リーチ選手は各自の行動が大事だとして、毎日の自分の行動を見直し、考えて行動するように習慣づけることが手助けになるという考えを示した。

 「慣れたところで油断するのが一番危ない。だから毎日、自分の行動を見直して正しい行動を取ることが一番だと思う。僕も毎日見直している」と、日本代表キャプテンは言う。

さらに、「できるだけ家にいて、人がいるところに行かない、クラスターが起こるところに行かない、作らないこと」と注意を呼びかけた。

 昨年のワールドカップでは日本代表はONE TEAM(ワンチーム)をテーマに戦い、8用進出という目標を達成。ONE TEAMはその後、昨年の流行語大賞にも選ばれ、団結を呼びかける言葉として多くの人に広く使われるようになった。

 リーチ選手は言う。

「ONE TEAMで大事なのは、一人ひとりが責任をもって行動すること。トップが言ったことにしっかり従うこと。それをやれば一つのチームになれる。感染拡大も防ぐことができる。」

Photo: © Toshiba Brave Lupus