【東京・10月18日】4連勝で初めて8強入りを決めた日本の躍進は、ナンバー8姫野和樹の存在なしに語れない。タックルで倒れた相手に素早く食らいつき、敵の援護で防がれる前にボールを奪い取る「ジャッカル」は、国内でも姫野の代名詞として聞かれるようになった。

格上のアイルランドを下した第2戦では、16-12とリードしていた後半25分に自陣深くの「ジャッカル」で相手のペナルティーを誘う値千金のプレー。スコットランドとの第4戦でも28-21と差を縮められた後半27分に同じく「ジャッカル」で窮地を救った。

「ジャッカルはすごく好調だけど(オーストラリア主将のマイケル・)フーパーとか尊敬している選手の方がうまい。おごらずにお手本にしてもっと磨きをかけたい」と話す25歳。大会前から日本人の強さを見せたいと繰り返し、口にしてきた。

「日本代表として、日本人でもやれると証明したかったし、4試合80分出させてもらっているけど自分の強みをかなり出せている。少しでも日本人でもやれると思ってもらえたらうれしい」と胸を張る。

パワフルな突破でここまで49のストレートランを記録し、WTBの松島幸太朗の48も上回って大会3位につける姫野。強豪2カ国を倒したことで、「ティア1」、「ティア2」といった歴史や実績による旧来の組み分けのラグビー界の概念を壊したとも自負する。

「見ての通り、すごくいいラグビーをしていると思うし、自信を持ってアイルランド、スコットランドと戦えたので。そこは自信を持って言えると思う」と率直に話し「ベスト8に入ったことで、ティア1に食い込める実力を世界に発信できた。日本ラグビーにとってかなり大きいことだったと思う。日本中がラグビーで盛り上がっているのを見てうれしいし、ラグビー文化が日本に広まればいいなと思う」と語る。

地元愛知県で中学からラグビーを始め、帝京大卒業後1年目でトヨタ自動車の主将。同じ2017年に代表デビューも飾っている。普段プレーする豊田スタジアムでは、サモアとの今大会第3戦でモールからW杯初トライも決めて見せた。

大会前の9月6日に行われた南アフリカとの試合は左足首のけがで欠場したが、今回は満を持しての登場となる。

「南アフリカは世界1、2というチーム。素晴らしいチームと対戦できるのは自分の経験として出たかった。そのチャンスがW杯本番でできるのは楽しみでしかない」と姫野。「自分がどれだけ南アフリカのフィジカルに対して前に出られるか、自分とチームに期待している」と対戦を待ちわびる。

トヨタ自動車では2007年W杯で南アフリカを優勝に導いたジェイク・ホワイト監督の指導を受ける。

「南アフリカがやってくることと、ジェイクがやりたいことは似ているなと感じる。トヨタもそういうラグビー。ちょっとは理解できたり、イメージできているので、そこはプラス」。またも鍵を握る存在になりそうだ。

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