【東京・10月11日】台風のために12日に予定されていた2試合が中止となったラグビーワールドカップ(W杯)日本大会。W杯での試合中止は史上初だが、野外スポーツは悪天候との闘いの歴史でもあり、困難を乗り越えた大きな大会もある。

日本戦を13日に控えるスコットランド。この試合は恐らく、天候に悩まされた有名なゲームの1つとしてW杯史の1ページを刻むことになるだろうが、1975年には「水球テストマッチ」と茶化されたニュージーランド戦を経験している。この時、ピッチは水浸しで、ラックの際に倒れている選手が溺れるのではと心配されるほどだった。それでもオールブラックスは、13ものペナルティーキックが与えられるほどの悪コンディションをものともせず、ブライアン・ウィリアムズが2トライを決めるなど24-0で圧勝した。

両チームはその3年後、スコットランドのマレーフィールド・スタジアムで再び相まみえた。オールブラックスはイングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドの4チームを一度の遠征で破る初の"グランドスラム"を狙っていたが、今度は豪雨や強風、降雪などではなく、迫る暗闇に悩まされた。当時、スタジアムには照明設備がなく、ピッチから引き揚げるときはトーチが必要なほどだったが、18-9で勝利を収めた。

台風が迫る今週末の日本の状況に匹敵するのは、1961年のニュージーランドーフランス戦だろう。会場のあるウェリントンはスーパーラグビーのハリケーンズの本拠地。その名にたがわず、アスレティックパークには台風並みの時速130㌔(秒速約36m)に達する強風が吹き荒れていた。ペナルティーキックを任されたオールブラックスのドン・クラークは、タッチラインから9メートルの位置からコーナーの旗をめがけてボールを蹴った。強風で流されたボールは手前のゴールポストのポールの間を通過、クロスゲームに5-3で決着をつけた。

こうした試合を上回るさらに劇的なゲームは1995年W杯の準決勝、南アフリカーフランス戦だろう。南アの地元ダーバンの会場は、試合が始まる数時間前まで豪雨に見舞われ、写真のように、ピッチはまるで湖のような状態。もし引き分けに終われば、反則数の少なさなどでフランスが決勝に進出していたはずだった。

しかし天候は南アに味方した。空は試合直前に晴れ上がり、南アが泥まみれの試合を19-15で制する結果となった。同国は決勝戦でニュージーランドを破り、W杯初優勝を飾った。13日にスコットランドと戦う日本は、天気の面では似たような状況といえよう。この試合に勝てば、無傷で1次リーグを突破、初のベスト8入りが決定することになるのだから。

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