【東京・10月6日】ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチがボーナスポイント獲得へかじ取りを託したのは、やはりSH田中史朗だった。
日本が後半ロスタイムに4つめのトライを挙げ、サモアを38-19と振り切ってプールA首位に再浮上した1戦。3戦連続で後半途中からフィールドに立った34歳のベテランは、控え選手8人全員が出場しインパクトを残す中で先発メンバーをたたえた。
「僕がどうこうというより、前半とか僕が出ていない始めの方に、フォワードや流がテンポを上げて相手を疲れさせてくれている」と分析。「僕が速いというより、周りが疲れているだけ。それもチーム全体の働きのおかげでそういう状態になれている。最後の方はやりやすくプレーさせてもらっている」と仲間へ言葉をつないだ。
アイルランドとの第2戦では、モールからボールを拾った田中のパスを起点に福岡堅樹が逆転トライ。
サモア戦の後半25分には、相手SHのドウェイン・ポロタイバオに猛然とチャージ。一気にボールを奪い返し才能を見せつけた。
「あの場面でもラファエレ(ティモシー)と福岡がしっかり相手を横にどけて、ラックじゃない状態ができて僕がプレッシャーをかけられた。色んな方に『田中さんいいタックル』と言われるけど、その前でチームメートが自分の仕事してくれているから。あれもチーム力で取ったディフェンス」とやはりチームメートに感謝する。
ジョセフHCと3年を過ごし、目標の8強進出に手が届きそうなところまで来ている日本。ただプールA最終戦の相手スコットランドには2015年大会で10-45と敗れている。
Great scenes as Japan and Samoa shake hands after a tough encounter, where the hosts kept their hopes of a quarter-final spot well and truly alive. #JPNvSAM #RWC2019 pic.twitter.com/Ut2vbI82XN
— Rugby World Cup (@rugbyworldcup) October 5, 2019
「前回大会のことは全然意識していない。そういうことを意識し出すと個人の感情が入ってしまうので、チームとして戦うこと。今まで通りコーチ陣が分析してくれたこと、相手の弱み、強みを見つけてチームとしてしっかり準備すること。何か変えると今までのいい流れがなくなってしまうので準備して100%の力出して戦うこと」と気を引き締める。
13日に横浜で対戦する両チーム。前回日本がそうだったように、今回はスコットランドが中3日で臨むことになる。日本の選手からはこの1戦を「決勝」と呼ぶ声も聞こえてくる。
前回イングランド大会で全4試合に先発した田中。日本が避けなければいけないものは明白という。
「(グレイグ・)レイドローはすごくいいキッカー。ペナルティーを取られれば、3点を取られてリズムを渡してしまう」と4年前の対戦で前半19分までにPG4本を蹴り込まれた相手SHを警戒する。「ペナルティーをなくすことで勝率が上がると思う」と最高の結果を思い描いた。
RNS mn/mj/sw/hn